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アメリカの環境問題を意識したパッケージのトレンド

アメリカ ニューヨークのゴミ問題

アメリカの洗剤業界は、リサイクル可能な再生プラスチック容器を使うメーカーが主流になっています。その理由は世界的に共通の課題であるゴミ問題。ニューヨークは、ゴミ問題が深刻にもかかわらず、リサイクルゴミの分別は日本と比べて大分ゆるく、また、人気都市であるがゆえの急激な人口増加で、行政はゴミの増加にシステムが追いつかず、リサイクルゴミが回収先で山積みになっているという悲しい現状です。

写真:ニューヨーク市のリサイクルゴミの仕分け図。大きく、紙系とメタル・プラスチック・ガラスなどの2つに分けて出す。日本と比べるとかなりアバウトな感覚。

環境にやさしい洗濯洗剤のパッケージをご紹介。

今までは、洗剤の再生プラスチックであることがナチュラルプロダクツの証でしたが、100%再生プラスチックのボトルをはじめ、消費者が自らコンポスト(土に返す)できるエコ素材のパッケージが出てきて話題になっています。

写真:大型スーパーの洗濯洗剤のコーナー。ニューヨークではリキッドソープが主流で、昔ながらのカラフルなプラスチック容器が目立つ。

写真:上記のメーカーは一掃され、ナチュラルプロダクツで占められたブルックリンのホールフーズの洗濯洗剤のコーナー。白いと半透明の容器が大半を占めている。

現在から未来の人々の健康や地球環境への影響を考えた自然派家庭用品ブランド「セブンスジェネレーション」

写真:アメリカ洗剤業界初の古紙で作られたセブンスジェネレーションの容器。

創業28年のセブンスジェネレーション(Seventh GENERATION)は、バーモント州に本拠地があり、アメリカ原住民のイロクォイ族に伝わる「すべてのことは7世代先のことを考えて決めなければならない」という教えがコンセプトに。家族の健康だけでなく、地球環境にも配慮して、植物ベースで低刺激、蛍光増白剤や合成着色料のような添加剤を使用しない安全性の高い家庭用洗剤と、新開発のパッケージングに力を注ぐアメリカンブランドで、環境問題に意識の高い消費者や著名人から高い評価を得ています。

「きれいにする」だけの衣料用洗剤から、健康や環境のことまで考えた洗剤を意識して、人体に有害な成分や環境に悪影響を及ぼすリン酸や生物分解されない蛍光増白剤は一切使用せず、 バイオの力で水の汚染を防ぐ成分解性の成分を活かして商品を開発。さらに石油由来でなく“植物由来成分”を使用。植物由来の洗浄成分と酸素の働きによって、洗浄力は一般的なブランドと同等、 他の自然派洗剤よりも優れた製品機能を発揮しています。

リサイクルした再生プラスチックボトルの次の素材は古紙で作ったボトル

リサイクル可能なパッケージは、企業イメージを良くし、消費者の環境問題への参加意識を高めていますが、家庭ゴミの量を減らすことにはなっておらず、セブンスジェネレーションは、2011年に70%のリサイクルボール紙と30%のリサイクル新聞紙で作ったボトルを開発。リキッド洗剤が直接この中に入っているのではなく、ボトルの中には再生プラスチックでできたビニールポーチが入っており、ボトルが空になったら、ボトルからポーチを引き出し、それぞれリサイクルごみとして捨てることもできるし、ボトルはコンポスト(堆肥化)することもできます。
このボトルの優れた点は、一般的な洗剤ボトルよりもプラスチック使用量が66%減になっている点。今のリサイクル・ループに新たな一石を投じました。

写真:コンポスト可能なパッケージ。リサイクルボール紙とリサイクル新聞紙で作成されたあらたなパッケージ。

写真:洗剤を使い終わった容器から中のポーチを取り出してみたところ。想像以上に簡単に引き抜けた。合わせ目のところで楽に半分に開くことができる。サイズはボトルが縦22cm x幅約14cm。ポーチは縦29cm x 横19.5cm ( 外寸)。濃縮タイプでもあり、他社の製品よりもだいぶ小ぶりな印象。

セブンスジェネレーション ホームページ:http://www.seventhgen.com/

100%再生プラスチックボトルを使用するエコベール(ecover)

写真:サトウキビから生まれた植物由来の新容器“プランタスティック®”と呼ばれる新しい原料を使って作られたパッケージ。

他にも1979 年ベルギー創業。現在はアメリカに支社を持つエコベールは、「サスティナブル(持続可能)なエコロジー」をコンセプトに、世界で初めて無リン洗たく洗剤を開発。またサトウキビから生まれた植物由来の新容器“プランタスティック®”と呼ばれる新しい原料を業界初、新発明しました。

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