【特集】世界の今。新型コロナウイルスが変えた私たちの生活(12)——「香港」の今
SARS体験が生きた危機意識。ロックダウンなしで抑え込みはほぼ成功私が香港に住み始めたのは2006年。中国本土の広東省からもたらされたSARS(重症急性呼吸器症候群)が香港で流行し、1,755人が罹患し299人の死者が出たのが2003年であったため、人々の記憶がまだ生々しい時でした。
「SARS前と後で、香港は別の都市になった」という言葉をよく耳にしました。衛生観念の飛躍的な向上に加えて、香港人も外国人も同じく緊迫感と先が見えない不安の中で、共に乗り越えた連帯感を共有したこ