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口内炎だと思ったら「がん」だった話(10)〜近況報告:なんでもない日おめでとう〜

7月、「舌がん」と確定診断を受けて5ヶ月経ちました。

入院日記は「栄養剤」と「リハビリ」ばかり書いてて少し飽きてしまったので(笑)今回は退院後の外来通院の話をしたいと思います。


★これまでのあらすじ

ICU・HCUから1人部屋に移動するも暇を持て余す私。しかし、動けるからといってふらふらすると感染しちゃうと主治医から注意を受けます。ときどき37度台の微熱もあり、部屋で大人しく過ごしていました。
リハビリにて、ゼリーを食べる練習は10分以内、5分以内とどんどん時間が短くなっていきました。
そして、週明け火曜に「飲み込みの検査(嚥下造影検査)」の予約があります。
果たして、ごはんが食べられるようになるのでしょうか?

★精密検査から入院、手術、リハビリの話はこちらから読めます★

2024年7月9日(火)

今日は4月の外来通院以来のCT検査(通算3回目)。

3ヶ月に1回のペースで受けるこの検査。実は2週間ほど早めました。
「術後半年以内に首の奥にあるリンパ節に再発する人も稀にいる」と主治医が言っていたので7月上旬に前倒し。(ほんとは6月下旬にしたかったらしいのですが、検査時間が混み合ってて取れませんでした。残念。)
右顎下もまだ腫れていて、その腫れが術後なのか、再発の腫れなのかって触診でもその硬さを確信できないという。

まぁ、CT検査後の診察(触診)でも、
術後の硬さかなー?と主治医はまだ納得いっていない様子でした。
科学的根拠までしてその疑いなのか?

話を戻します。
仕事をお昼休憩で早退して病院へ。もうちょっと長くいてもよかったんだけど、職場の人たちがごはんを食べている中、ひとりだけ食べない(検査で10時以降は食べてはいけないルール)で仕事しているもなんだか酷だなーと思うと同時に、業務のきりが良いので12時に切り上げさせてもらいました。

下着をブラタンクにして、着替えの手間を省いた日こそ、待合室で待っている時間が長いのです。

そうそう、もうご存知な方もいらっしゃると思いますが、
こういう検査のときはカップ付きのブラタンク一択です!同じカップ付きでも、キャミソールタイプは調整用の金具が付いているのでNG。
私もこういう日のために、UNIQLOや無印良品でワイヤー無し・金具無しのブラタンクトップを購入しました。

ちなみに、スボンにファスナーが付いている場合も着替える可能性があるようです。レギンスパンツやワンピースは金具類がなく、検査向きの服装です。ぜひ!

今日は予定よりちょっと早く呼ばれました。
検査台の上に仰向けに寝そべって、まず何も入れていない状態で1往復。
機械の中で大きく息を吸って止めて吐いていきます。

続いて、造影剤入りのバージョン。
右腕から注射器で入れて、手の先や腎臓のあたりがぽわーんと暖かくなってきました。
検査技師さんは「気分が悪くなったら言ってね」と声掛けします。
機械が動いて1往復。またも大きく息を吸って止めて吐いてを繰り返しました。

検査は無事に終了。
「造影剤入れたからお水をたくさん飲んでお小水で出してね」と言われ検査室をあとにしました。

続いて、口腔外科へ。
お腹が空いて力ない中、50分ほど待ってました。(この日は母が付き添いに来てくれたので小声でおしゃべりしてました。)

診察室に入るとさっそく、CTの画像を見ました。

きれいに、何も見えないね

いろんな角度、方向から撮った画像をぐりぐりと動かして(回して)見ました。
んー、素人の私にはどこがリンパ節で、腫瘍ができるのか、さっぱりでした。
何も見当たらないと主治医が言うから、安心して良いのだと思います。

首の触診でも、右は術後の硬さ、左も特に何もないようでした。

ただ、右耳〜顎下あたりを強く押されてすごく痛かったです。術後の縫い目が引っ張られている感じ。顔が大きくならないようマッサージしなきゃ!

口を開けて舌も目視と触診。
見るだけならいいのだけど、指を突っ込まれると咽頭反射を起こしそう。(うえっ。)終わるとすぐうがいをします。

最後にもう一度、CT画像をぐりぐりと回してリンパ節に腫瘍がないか見ました。
そんなに見せられてもわからないもんはわからない!

今度、検査のレポート出すからね

そう主治医は言いました。
この日は何事もなく、次の診察日時を決めて終わりました。

つづく。


おまけ - 母とごはん

約2時間の病院に付き合ってくれた母。
なので、帰りは私が「母の夏休み」に付き合いました。

お昼ごはんを抜いているから、もうお腹ぺこぺこ!な私。
病院の食堂ではもうすぐ閉まってしまう。
どこかで何か食べようと、いろいろ考えていると「後楽園」に行こうと決まりました。

そう、母は東京ドームシティホテルのブッフェスタイルのレストラン「スーパーダイニング リラッサ」に行ってみたかったのです。

窓際から見た東京ドームとラクーア周辺

30分ほどディナータイムに早かったので、お店で直接予約。
開店時間まで、読売ジャイアンツのグッズを見て回りました。

そして、待ちに待った食事の時間。
ホテルのブッフェなんて久しぶり!特別感がありました。

どれから取ろうか迷いますが、まずはテーブルに近い「洋」のコーナーから。
ブッフェ台にはお肉やお魚がずらり!
自炊では登場しないであろう料理を選んでお皿に盛りました。

「洋」コーナー(一部、穴子やネギトロ丼など和のメニューも)
ローストビーフと選べる料理(ホタテのソテー)、冷静コーンスープ


ディナーの制限時間がちょうど病院と同じ2時間。
これで相殺されました。

母がデザートを取ってくると
ふと、こんな言葉が浮かびました。

なんでもない日 おめでとう!

『不思議の国のアリス』より

日本語訳の『不思議の国のアリス』でイカれ帽子屋と三月ウサギが言っていた言葉です。

今日はなんだかこの言葉が心に沁みます。

Happy Unbirthday (直訳:お誕生日じゃない日おめでとう)じゃないのです。
原文のままだと、この気持ちはうまく伝わりにくいのかもしれません。

なんでもなかった日を祝おう。
これがいつまでも続きますように。