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小さな幸せを数える習慣。

2023年は間もなく9月を迎えようとしている。
今年、友人と山梨県にある竜ヶ岳に登って以来、登山をしていないなんて信じられないなと思う日々。今年は新規事業などに比重を置いた為、こうなる事はある程度想定していたが、山に登れない事がこんなに複雑な感情を抱くのかと己の心に問いかけている。

三日ほど前に、押さえ付けていた感情を解放する為、
仕事を終えた午後8時、辺りは暗闇と化した山の中を一人歩き始め、燧ヶ岳の山頂へと向かった。

星が見れたら良いな。
と行く理由を無理矢理作って、とにかく『山を登る』という行動を起こしたのだ。1時間半も掛からずに8合目に到着し稜線に出たところで、強風視界不良となった為そこをゴールとした。景色は何もなかったけど、ただひたすらに無心で山を歩ける幸せを噛み締めた。

見晴新道は登山道のコンディションも悪く、8合目までは樹林帯。ヘッドライトの光の先には、樹木と獣の気配や鳴き声しかない静寂の世界が広がっていた。

ナイトハイクは散々経験して来たけど、
何も見えない山道をただ登って降りて来たのは初めてだ。それでも山を駆け上がり、息が上がる心地よさを再確認し『やっぱり山が好きなんだな』と心や思考を整えた。これでまた一つ幸せを数えた。

尾瀬初訪問のフロンターレクラブスタッフ

山に登れない複雑な感情の反面、小屋にいる事でしか味わえない嬉しい瞬間というものがある。それは大切な人達が尾瀬を訪れてくれる瞬間だ。自分が尾瀬にいる事で会いに来てくれる人達が沢山いる。それは山に登れないマイナス感情を打ち消してくれる魔法のようなものだ。感情が不安定な時ほど、小さな幸せを発見するコツみたいなものが必要で、その幸せの数を数えた分だけ、意外と近くに幸せがある事に気が付くものだ。山小屋という閉鎖的環境に居たら尚更敏感に。

檜枝岐歌舞伎にて

先日フロンターレ観戦ツアーでお世話になったクラブスタッフの仲間達が、鳩待峠から御池までを日帰りで縦断し、一緒に檜枝岐村の伝統芸能『檜枝岐歌舞伎』を観覧した。先日川崎に来られた檜枝岐村民のお宅を各所訪問し、檜枝岐村の伝統料理をご馳走になったり、お土産などを頂戴したりして盛大なおもてなしを受けた。フロンターレスタッフも感動し、今度はフロンターレの人達が檜枝岐村のファンになったようだ。

またもや架け橋の瞬間を目の当たりにした。
こうした瞬間は何度見ても幸せで溢れている。

お世話になった村民の皆様、本当にありがとうございました。

大阪から遠路遙々

キャンプや登山など、アウトドアに関するYouTubeを積極的に配信している山広さんとJURIさんがサプライズで尾瀬小屋に遊びに来てくれた。以前から仲良くさせてもらっていたが、互いに忙しく二年ぶりくらいの再会だっただろうか。しかもこの日はJURIさんの誕生日登山との事で、わざわざ尾瀬まで足を運んでくれたのだから、駆け足だが全力で誕生日をお祝いした。再会が尾瀬なんてこんな嬉しい事はないし、この日は燧ヶ岳の登山道整備でヘロヘロだったが、再会した瞬間に疲れも一気に吹き飛んだ。改めてJURIさんにお誕生日おめでとうと言いたい。そして遠くまで会いに来てくれた二人にお礼を伝えたい。ありがとう。
その時の様子もYouTubeで公開されているそうで、思い出に残る1日の一つであり、幸せのカウンターが更新された日だ。

YouTubeと言えば、
今年は沢山の登山YouTuberが尾瀬小屋に遊びに来てくれました。カブパパさん、かほさん、もじゃまるさんをはじめ、20人くらいの方が動画を撮影してくれたと思います。今やネットやスマホ時代。こうした影響力がある人達が尾瀬の魅力を発信してくれるという事は尾瀬の山小屋だけでなく、麓の経済をも刺激し山岳地帯をより一層活性化してくれるので大変素晴らしい事だと思います。

みそちゅーぶさんとぶどう奴さん

今年実施したTwitterキャンペーンの当選お礼にと、みそちゅーぶさんとぶどう奴さんが極上の巨峰とシャインマスカットを担いで遊びに来てくれました。

神々しいぶどう達と至仏山の夢のコラボ

もう、二人とは運命的な出会いとでも言いましょうか、二日間沢山のお話をして盛り上がりました。ぶどう奴さんが私と同じ野性的なタイプで感性が似ているところも、自然と引き寄せられた要因だったのだろうか。ぶどう奴さんが作る巨峰とシャインマスカットはとにかく絶品で、スタッフ一同感動の嵐だった。


みそちゅーぶさんは、実は今シーズン二回目のご来館。アウトドアのYouTubeも配信されていて、とても優しく穏やかな方でした。次は箱根か山梨での再会を誓い楽しみが増えました。これからも陰ながら活動を応援したいと思います。


他にもたーくさん。
尾瀬でケガ人が出た際、伴走先となる病院の先生たち。いつも命を救ってくれてありがとうございます。

teton大好き尾瀬初めてさん達。

ブログに載せて欲しいとアグレッシブなお客様

載せきれないし、数えきれないくらい『人との繋がり』というものがある。と同時に、私が玄関でお客様をお見送りしたり、お客様とお話している間も、スタッフみんなが一生懸命仕事をしてくれているからこの瞬間が成立している。だからこそ、私は山に行けなくとも、休みがなくとも、休憩出来なくとも、これ以上ない幸せを感じている事をいつだって忘れてはいけないと強く感じる。これで十分。

このnoteは、冷静に振り返らせてくれる素晴らしいツールだし、ブログを綴るきっかけを作ってくれた翼にも感謝したい。

書き続けたらキリがないのだが、最後に。
アウトドアブランドのtetonさんと、PEAKSやランドネでお馴染みの朝比奈編集長が取材を兼ねて尾瀬小屋に来てくださった。tetonさんは勝手に家族みたいな位置付けに思っている存在だし、朝比奈さんともようやくゆっくりお話が出来た。僕の知らない山の世界を沢山教えてくれたし、とても刺激を受けた1日だった。
まだまだ自分に出来そうな事が沢山ありそうだったし、挑戦したくなるようなテーマがゴロゴロあった。

働く場所は違うし、山に関わる理由や挑戦する理由は人それぞれ違えど、皆に共通していたのは心の根底に『常に山という存在が近くにある』という事だ。

素晴らしい山談義だったな。

ようやく。
ようやくこういう時間を作れた。

支え合うのも人だし、高め合うのも人。

それを教えてくれたのは他でもない『尾瀬』なのだ。

尾瀬小屋
工藤友弘


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