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本阿弥光悦の大宇宙

ただ作品を紹介するだけでなく
例えば
今回の目玉の1つでもある『鶴下絵三十六歌仙和歌巻』なら
“こういうモノができた背景にある当時の流行”とか、
彼の作り出すものがブームになったことで誕生した
数々の“光悦風”なものも紹介しているのが、
この展覧会の特徴。

つまり光悦の生きていた時代のカルチャー全体も見えてくる。


衝撃だったのは『桜山吹図屏風』。
簡略化された色面で現されているのは
丘なのか水面なのか雲なのか…
もはや抽象画の域。
そこにゴテゴテに塗り重ねた桜や山吹の花と
光悦の書の色紙が
リズミカルに配置されていて、
アヴァンギャルドすぎる。

当時はガツンと色鮮やかだっただろうと思うと、クラクラした。

これを作ったとき、俵屋宗達と光悦は何歳くらいだったんだろう?
2人の“やってやるぜ”感がプンプンしている。


好きだったのは『花卉鳥下絵新古今和歌集巻』。
金泥を贅沢に使った、かぐや姫が出てきそうな竹林をバックに書かれた光悦の散らし書きは、
竹林の中にポコポコ浮かんでたゆたっているみたいに観えた。
竹林を抜けると千鳥が飛ぶ侘しい浜に出て、
光悦の字は今度は しんと静かに漂っているように観える。
もの凄く映像を感じさせる1作だった。


今日のルートは

小津安二郎も通った「蓬莱屋」でとんかつランチ


→トーハク
→アトレ内のアンデルセンで一休み
→三省堂書店

完璧な黄金ルート!


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