お湯たまご

生卵でも茹卵でもないただのお湯たまご。 他人の企画に寄生してショートショートを書いてい…

お湯たまご

生卵でも茹卵でもないただのお湯たまご。 他人の企画に寄生してショートショートを書いています。

マガジン

  • #毎週ショートショートnote|byお湯タマゴ

    このマガジンは、たらはかにさんの企画『#毎週ショートショートnote』を基に私が創作したショートショートの作品集です。 【たらはかに(田原にか)さんのクリエイターページ】 https://note.com/tarahakani 【#毎週ショートショートnoteまとめマガジン】 https://note.com/tarahakani/m/m2196e4089f31

最近の記事

ChatGPTが書いた「賞味期限切れの桃太郎」

桃太郎は、生まれたと同時に、消費期限が設定された謎の存在だった。彼は誕生後、食べ物のような賞味期限が設けられ、期限が切れると、体が腐敗してしまう運命にあった。だから、彼は一刻も早く、自分の役目を果たさなければならなかった。 ある日、桃太郎は、日本の平和を守るため、鬼を退治するという任務を与えられる。しかし、彼はその任務に失敗し、賞味期限を過ぎた体が腐敗し、果ててしまった。 ところが、数百年後、現代の日本で、桃太郎が復活することになる。彼の魂は、腐敗した体に秘められた不思議

    • ショートショート『大増殖天使のキス』

      「起きたら目がベチョベチョしているんだけど…」 最近よく耳にする言葉だ。朝起きたら、瞼にネバネバとした感触がする事件が多発しているというもの。 それが3ヶ月もの間、ほぼ毎晩感じると被害者は語る。最近では恐怖を感じており、警察に話そうと思っているらしい。 被害者はなぜそのような、起きた時に瞼がベチョベチョとした感触をするのかが、まだ分かっていないみたいだ。 だが、私には分かる。 それはキスだ。 寝ている最中に瞼にキスされているんだ。 なぜそう断言できるのか。 なぜ

      • ショートショート『自己紹介草』

        トゥドゥドゥドゥン *** 私の本当の名前は、ユゼ・ククフです。 人間でした。 年齢は25歳でした。 150年程前に今の姿になりました。 出身は、ククフ王国です。 兄弟は三人いました。 私は初代国王の第二王子として生ました。 あなたの遠い先祖でもあります。 私が23歳を迎えた時、父でもある国王が暗殺されました。 私が24歳を迎えた時、王妃が暗殺されました。 私が25歳を迎えた日、第一王子が暗殺されました。 残ったのは私と弟の第三王子でした。 弟は言い

        • 三行小説『逃走中のぬいぐるみ』

          妹が捨て犬を拾ってきたと言い張っているが、どう見てもぬいぐるみだ。 いや、ぬいぐるみでもないぞ。 中からザラザラと米が擦れる音が聞こえる。まさかそんなはずは。 –––––完––––– 最初の一行をお借りました。 ちなみに、 どういうことか分かりましたか? 最後の一行、タイトル、見出し画像から考察してみてください。 明日、これを展開させたショートショートを書いて、スランプから抜け出そうと思います。

        ChatGPTが書いた「賞味期限切れの桃太郎」

        マガジン

        • #毎週ショートショートnote|byお湯タマゴ
          7本

        記事

          三行小説『常習』

          「年季の入った鉛筆ですね」 「ええ、十年以上使っています」 彼はそう言いながら、先の尖った赤鉛筆を握りしめた。 –––––完––––– 今日もお借りしました。 スランプを抜け出す第一歩として、ハードルを下げてショートショートガーデンに400文字のショートショートを書いてみました。 田丸雅智さんの超ショートショート講座を利用して、ランダムに作った単語『履歴書のトイレットペーパー』から連想しました。

          三行小説『常習』

          三行小説『地球内生命体』

          「ご出身は?」と聞くと、彼は切なげに夜空を見上げた。 「ここです」 彼の指先には、青く光った喉仏があった。 –––––完––––– どうやら、ショートショートスランプに突入したみたいです。アイデアを練れても、なかなか良いオチと展開が見つからず苦戦しております。 創作法を見直すので、ここしばらくは三行小説の投稿がメインになると思います。ごめんなさい。 ** 今日もお借りしました。

          三行小説『地球内生命体』

          三行小説『ポテトセット』

          「ポテト単品で」 「ポテトはいかがですか?」 「一つで大丈夫です」と答えたら、フライドポテトを一本わたされた。   –––––完––––– ショートショートを投稿できそうになかったので、三行小説で失礼します。 Sheafさんのストーリーの種 48から、最初の二行をお借りしました。 これを読んでいる皆さんも、気になるお題がありましたら三行小説で書いてみてください! コメント欄にURLを貼ってもらえれば、読みにいきます! *ストーリーの種の詳細は、こちらで御覧く

          三行小説『ポテトセット』

          ショートショート『言食い』

          「オーダーが入ります。辞典2冊」  二足歩行のウェイトレスは、窓際に座る2名の注文を淡々と述べた。それを聞いた厨房スタッフは倉庫へ向かい、『国語辞典』と書かれた棚から辞書を2冊取り出した。 「お願いします」  時間にしておよそ5分。辞書を受け取ったウェイトレスは、今さっき注文を受け付けた窓際の席へ運び、「おまたせしました」と告げた。 「ちょっと遅くない?辞書を取りに行くだけなのにこんなかかる?」  2名のお客はカップルで、男性の方が提供時間の遅さを指摘した。辞書レス

          ショートショート『言食い』

          ショートショート『ゴミ収拾者』

          「ゴミ出しにも、技があるんですか?」 「そりゃもちろん。全部力尽くですと、こちらが大変ですので」  ”ゴミ出し”の依頼主は、私に質問を繰り返すことで、捨てきることへの躊躇いを誤魔化そうとしている。 「あとは何をすればいいですか?」 「服はこれで全部ですよね」 「はい。言われた通り着ていない服も着ている服もすべて入れました」 「それでしたら、貴重品の方をリュックかキャリーケースに入れてください。特に大事になされているものは忘れないようお願いします」  45Lの袋に

          ショートショート『ゴミ収拾者』

          ショートショート『ラジオ焼きそば』

          <なつみ、ラジオはこうやって使うんだ>  1Kの小さな部屋。使い古されたテーブルに、スピーカーが上を向くように置かれたラジカセ。  彼はそのラジカセの上で焼きそばを作っていた。  厳密に言えば「焼きそばを作る」ふりをしていた。  フライパンに刻んだ人参と玉ねぎを入れ、炒めている。勿論、スピーカーから火は出ていない。 <教授が言ってたんだけど、マーシャル・マクルーハンていう偉い人が、ラジオを『ホットなメディア』にしたんだって>  フライパンに手を戻し、彼はラジオの側

          ショートショート『ラジオ焼きそば』

          ショートショート『消費期限切れの桃太郎』

           むかし、むかし、あるところに、お爺さんとお婆さんが住んでいました。  ほぼ毎日、お爺さんは山へ柴刈りに。週に1回、お婆さんは川へ洗濯に行くかどうかの選択をしていました。 「爺さんよ〜。ちょいと洗濯にいってくる」  どうやらお婆さんは、3週間ぶりに川へ洗濯に行くことを決めたようです。 「ドッコイショ、ドッコイショ。ヨッコラショ、ヨッコラショ」  家事をすべてお爺さんに任していたお婆さんは、炬燵から立ち上がるのも一苦労。  途中何度か挫折しかけたが、柴刈りの身支度を

          ショートショート『消費期限切れの桃太郎』

          ショートショート『消しゴム大増殖』

           いかに大きな練り消しを作れるか。これが、日本男児が最初に行う研究内容なのは間違いない。  本来消しゴムは、誤りを訂正するもの。書き間違えた箇所を消すことで、ノートの節約が可能になる、勉強を支える必須ツールである。  だが、誰から教わったわけでもないのに、不真面目な小学生が消しカスで作られた団子の大きさを競う合う文化が、いつの時代にも突如として現れる。  意図的に黒塗りしたノートを擦ることで消しカスを生成する者。固まりやすくするために水を加えながら練る者。ひたすら捏ねて

          ショートショート『消しゴム大増殖』

          ショートショート『釣られたガール』

           彼女の命を救うのと引き換えに、私も生き返った。  呼吸が安定し意識が戻ると、数秒前の記憶が濁流のように流れ込んできた。  陽を跳ね返す大きな川を横切る大きな橋。その橋の下に、ひとりの女性が立っていた。  サラサラと油気のない髪を靡かせながら、釣りをしていた。帽子から靴まで何ひとつ汚れがついていない彼女は、明らかに釣り初心者だった。  覚束ない手つきで、美味そうな餌を針につける。釣り竿を持ち、思いっきり振ったが、遠くには飛ばず目の前に落ちた。 「姉ちゃん釣りやってん

          ショートショート『釣られたガール』

          ショートショート『階段かエレベーター』

          「ようこそ、エレベーターへ」 「とりあえず、十三階までお願いします」 「かしこまりました」 トゥントゥーン 「十三階に到着しました」 ドゥウィウィーン、ガタン 「・・・・・」 ドゥウィウィーン、ガタン 「降りますか、それとも昇りますか」 「昇ります」 「次は何階にしますか」 「十六階でお願いします」 トゥントゥーン 「十六階に到着しました」 ドゥウィウィーン、ガタン 「お、友達が増えてる。十七階ならもっと楽しめそうだな。次、十七階でお願いします」

          ショートショート『階段かエレベーター』

          ショートショート『生命維持教室』

          「先生、僕がいません」 「何度も言っているでしょ。”僕”だけじゃ誰が誰だかわからないから、ちゃんと番号も言いなさいって」 「6275番です」  と、高太郎が大きな声で言った。  高太郎の声の大きさに驚き、隣に座っていた幸太郎が筆箱を床に落とした。  開け口が全開だったため、消しゴムやら鉛筆やらが教室中に転がり、幸太郎の近くに座っていた”こう”太郎達は、一斉に床を見た。  鋼太郎は、幸太郎の鉛筆を拾い上げ、耕太郎に「後ろに回して」と言った。耕太郎は幸太郎に鉛筆を渡し

          ショートショート『生命維持教室』

          ショートショート『鏡顔』

           彼は人差し指で鼻をほじ上げ、左右の口角を最大まで下げ、白目にした。  彼女も人差し指で鼻をほじ上げ、左右の口角を最大まで下げ、白目にした。  それを見た彼は、再度顔を変えた。しかし彼女も顔を変えてきた。彼と同じ顔に。  彼が変えると、彼女も変える。それを何度も繰り返し、30分が経過した。疲労からか互いの顔が赤く腫れ上がり、頬には指紋の痕が薄っすらと見える。  彼女は彼を鏡のように真似るだけ、それだけで勝ち取ろうとしていた。 「ブーブー」 「ブーブー」 「ブーブー」

          ショートショート『鏡顔』