大豆コーヒーとカブと
先月、素敵なカフェを見つけた。
それは岩見沢市の商業施設『GIFTs』の中にある。
まず注文してから、席に座るスタイルのカフェ。
私と夫は何も知らずにちゃっかりと座ってしまい、優しい店員さんに教えていただくこととなった。店内には平日だったためか、他にいた方は3、4名ほどだった。おしゃれな内観で、ガヤガヤしておらずゆったり過ごせる。席も適度な間隔が設けられており、窓際の席だったので外も見渡せるため「閉店までいてもいいでしょうか。」と聞いてしまいそうな居心地の良さだった。
こちらのお店に来た理由の1つは『安心安全な食材や無添加にこだわっている』と聞いたためだ。
『笹茶』は初めて聞いたので調べてみた。
▼RICO CAFEの会社『株式会社イザナ』によるササチャについて
クマザサとクマイザサは違うらしい。
北海道で育つクマイザサは葉がとても大きく厚みもあり、栄養バランスも良いそうだ。
そうして調べていくと、YouTubeの『令和の虎CHANNEL』に株式会社イザナの代表取締役である川原悟さんが出演されていた。
このチャンネルは初めて視聴したのだが、とても面白くマーケティングの勉強にもなる。
私は悩みに悩んだ挙げ句、「大豆コーヒー」と「パウンドケーキ(気まぐれスイーツ)」を注文した。コーヒーも捨てがたかったが、カフェインをここ1年ほど控えている。なかなか大豆コーヒーがあるカフェはないので、私にとってはすごくうれしい。
甘いものに目がない夫は、同じパウンドケーキと共に、甘くて可愛い美肌によいシェイクのようなものをキラキラした目をして飲んでいた。
私たちの後から来たお客様に、店員さんがホットコーヒーを運ぶ。なぜにコーヒーの香りはこれほどまでに気持ちを落ち着かせるのだろうか。張りつめていた何かをフッとゆるませてくれる。私が今までコーヒーを飲んでいたとき求めていたものは、味ではなくこの香りなのかもしれない。
メニュー表の最後には、このような文章があった。
だからこんなにもやさしさを感じる空間なのかと納得した。健康である人が、健康について真剣に考えたり、健康でいることの素晴らしさに気付くことはなかなか難しい。自分は大丈夫と思い込み、日々の忙しさで考えることを面倒くさいと感じてしまう。私も去年まではその1人だった。この方の気持ちが痛いほどにわかり、何度もこの文章を読んだ。
夫も静かにそのページを読み、その後は腕を組んで窓の外を見ていた。
その様子を見て、私も何気なく窓の外をボーッと見ていると視界に動くものがいた。
よく見てみると…
大豆コーヒーとヤギに心を温められ、入店したときよりも2倍は優しい人間になれたであろう私は、ゆっくりとした足取りでカフェを出る。
すると左手にかっこいいバイクがたくさん停まっている。来たときは気が付かなかった。
どうやらここは『カブの駅』というらしい。
道の駅のようにライダーさんたちが立ち寄れる場所を提供したスポットとのこと。
バイクを見たせいか『未来予想図Ⅱ』が頭の中で流れる。
未来予想図など描いてはいなかったが、ずっとこの穏やかな幸せが続けばいいなと夫の背中を眺めた昼下がりだった。