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心震わせられた一文から。読書の足跡。
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#堕落論

【読書】 堕落論 坂口安吾②

【読書】 堕落論 坂口安吾②

 敗戦直後、これまでの日本人の価値観が一変する。神様と崇められていた天皇は人間であると定義され、憲法は作りなされ、教科書の大部分は黒く塗られた。

 日本人は突如として、実際の生活だけでなく、それまでの生きていく上での心の支えを失ってしまった。よくよく考え見ると、コロナウイルスの蔓延で、現代人も、突如として生活や価値観が一変している。

そんな、日本人の、新たな人間の在り方を模索する道標を示した書

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【読書】 堕落論 坂口安吾 ①

【読書】 堕落論 坂口安吾 ①

 人が当然のように正しいと思い、すがっているもの。例えば、道徳であったり、モラル。日本人らしさという国民性。政治。法律。年相応の振る舞い。男らしさと女らしさ。触れられるか触れられないかほどの心の支えを、僕たちは確かに持っているような気がする。

 しかし、そんな「思い込み」や「決めつけ」によって、簡単に人は自分の言動を正当化する。それで、誰を傷つけ けようとも、知らぬ存ぜぬという考えに至る。

 

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