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訳読の独習可能性

国公立大学入試の前期日程の結果が出始めました。国公立大学の入試問題では英語の出題でも記述式の設問が多く出題されるのが一般的です。そのなかでも英文和訳問題は頻繁に出題されるものの一つと言えます。こうした出題傾向があると、『○○英文解釈』という書名の精読学習書に取り組む受験生が多くなります。(本当はそうでない私大受験生にもお薦めしたいのですが・・・)

問題は、そうした精読学習書を独習で取り組めるかどうかです。このような参考書は掲載されている英文を自分で和訳し、解説と全訳を見ながら自分の和訳を添削していくという流れで取り組んでいくのが一般的です。解説では英文のしくみを丁寧に説明してあります。英語のしくみを取り違えて生じたミスは、解説を読むことで気づくことができます。もちろんこれは、英文をノートに書き出したりコピーしたものに書き込むなどして、自分が英文を読んだときの分析を確認できるのが前提です。日本語訳だけ書き残すのではこの確認が曖昧になりますし、紙に書かずに読み流すだけではさらに曖昧になります。この曖昧さは自分で紙に書いて取り組むということを実践することで解決することができます。


本当の問題はこの先にあります。英文の分析に間違いがなければ、訳文の照合へと進んで行きます。このとき参考書が示す訳例は、解説文中の断片的な和訳と、別のところに示された全文訳の2通りです。これらの和訳と自分の和訳が違った場合、その「正しさ」を確認するためにはそれなりの日本語力が求められます。日本語の語彙や文法を分析して、元の英文の言い換えとして許容できるものか、そうでないのかを判断できなければいけないのですが、これができない受験生は意外に多いのではないでしょうか。

和訳問題を解いて完答できたから不合格だとしても英語が原因ではないだろうと思う人もいるでしょう。しかし、答案の和訳が自分で思っているほど正しくない可能性もあります。受験勉強の過程でそのことに気づかないまま本番を迎えていたとしたら、とても残念なことです。

このあたり、持田と話してみたいという方は、是非お問い合わせください。必ずしも受講前提ではないので、お気軽にどうぞ。


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