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憧れは、憧れのまま終わるのか 

それは、偶然か、必然か。
あの日だ。
あの日、何物にも得難い輝きを目の当たりにした。

その日、それが憧れになった。
私の目指すべき先が見えたような気がした。

その人のように、生きたい。
知的で、勇敢で、圧倒的な道。

だが、憧れは、
すぐに私の試練になった。

憧れは遠い、険しい道のり。
だからこそ、輝かしく見えた。

では、その道のり。
私は歩けるか。踏破できるか。

そして何より、踏破すべきか。
私が。
憧れに、私がなる必要があるのか。
憧れたからといって、私である必要はどこにあるのか。

そして
私はそもそもそんな大義のある人間か。
知的で、勇敢で、だが険しい道を、
私は、毅然とした態度で歩ける人間か。
もっと、自堕落で、矮小な人間ではなかったか。

私は試されている。
だが、その試練。
超える意味、必要は何処にある。

無いのだ。
というより、私が選択できる、出来てしまうのだ。
だから、弱い私は、逃げてしまう。
そんな試練、意味のないものだと。逃げてもいいのだと。

そんな人間では、憧れにはなれない。
そんな人間に憧れない。

確かにあったあの光、輝き。

私にとってそれは。
どんな意味があったものなのか。
意味などなかったか。

私のせいで。

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