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「登山」 絶望話集 vol.2

山の話をしよう。
君は登山の初心者だ。

山を登ると気分がいいね、みんなもそれを褒めてくれるみたい。
でもその山はもういろんな人が登ってるみたい。
時間が経てば、みんな忘れる。
「そんな山、登山家ならみんな登ってるよ」
努力が否定された、無駄だったみたい。

じゃあ高い山、寒い山、熱い山、辛い山。
少し目標を大きくしよう。
なんとか登りきったね。
いい景色だ、確かに大変だったけど、登りきった景色は格別だ。
みんなも褒めてくれる。
時間が経つ、時間が経つ。
「3年でそれだけしか山に登ってないの?」
笑われた、否定された、これでもダメか。

じゃあこの山を登ろう。
どうせ中途半端な山を登っても、時間が経てば否定される。
装備も足りない、能力も足りてない、けど登るしかない。

結果どうなったか、滑落死だ。
これが世界、恐ろしいね。
装備も足りて、能力も足りている人間だけが許される世界。

この人は確かにあったはずの絶景を見る目的は、どんな山でも達成されてる。
ただ、ヒトの評価が彼を狂わせた、ただそれだけ。
でもお金をもらうために、生きるためにも評価が必要な世界です。
あまりに理不尽、これ見た登山家は
「あんなんで登れるわけないだろ」とバカにする。
少しでも待ってあげましたか、何年でも。
少しでも認めてあげましたか、どんなことでも。
してないのに、恨まれて当然だ。

厳しい世界だね


やった事を自分の中だけで、満足したいのに。
世界との差の中で個性を磨くゆえか、世界との差を認識せずにいられない。
そんな中で、評価っていう本来要らないもので、生き方を歪められる。
それに耐えられずに倒れるそんな悲しさです。

楽しく山を登っていたい。
そんな許されぬ人生、送ってみたいものですね。

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