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【トークレポート】Local Quest Lab ゲストトーク(2023年7月)

こんにちは。Local Quest Lab主催の大洗クエストです。

- Local Quest Lab
Local Quest Labは地域のことを地域に関わる人同士で探求していくコミュニティです。全国の各地域で「地方創生」や「地域活性化」など、様々な地域課題に対して知恵を絞って試行錯誤を繰り返しながら、より良い地域社会の実現に向けて活動する人たちの背景・過程・成果・挑戦を見える化し、地域に関わる・関わりたい人同士のつながりをつくることを目指しています。現在、月1で地域で活動する方をゲストに迎えて、活動内容について聞いていくオンライントーク会を開催していきます。
→詳細はこちら

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Today's Guest

2023年7月のオンライントークのゲストは、福島県東白川郡鮫川村をフィールドに地域活動や大学院でコミュニティデザインの研究活動を行う宗形さんの活動について迫っていきました。
(6月の回のゲスト、枝さんにご紹介していただきました。)

2000年生まれの22歳。福島県郡山市出身。 拓殖大学国際学部国際学科国際協力コース卒業後、宇都宮大学大学院地域創生科学研究科でコミュニティデザインについて学んでいる。大学時代は青年海外協力隊になることを1つの目標として勉強していたが、祖父の村である福島県東白川郡鮫川村で地域紙を一人で発行している記者との出会いから、新聞と地域創生に興味を持つ。大学院にて、「紙媒体の地域紙が地域コミュニティにどのような影響を与えるか」について研究中。様々な地域のイベントに参加し、自分にできることは何か模索している。

※イベントページ詳細はこちら

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Today's Quest Words

- Today's Quest Words
ゲストとのトークで気になった言葉の中から、「地方創生」や「地域活性化」につながるキーワードを3つピックアップします。こちらのトークレポートは、トークの詳細や一言一句をお伝えするのではなく、キーワードをもとに各々が解釈して、考えるきっかけを提供したいと考えています。

①地域の課題は地域の人で解決するという視点
②グローバルとローカルの掛け算で地域づくりを
③立ち話が地域では貴重な情報となる

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Editor's Note

Editor's Note
Local Quest Lab主催のOwarai Questメンバーによるあとがきとして、ゲストの印象や気づきを主観で書いたメモになります。

宗形さんはいろんな視点で物事をみることのできる人だと感じた。昨年度卒業した大学では、卒業論文が最優秀賞に選ばれた経験を持つ。現在は大学院に進み、引き続き地域に関する研究を行なっている。

実は宗形さんの大学の専攻は「国際協力」。高校時代に出会った留学生との関わりを通じて世界を知りたいという思いになり、大学卒業後は青年海外協力隊になろうと思っていたと。ただ、新型コロナが蔓延したことで海外への渡航もできなくなってしまった。

そんな中で、少しずつ海外から国内、地域に目が向くことになった。そんな時に祖父の村である福島県東白川郡鮫川村で地域紙を発行する一人の女性と出会い、メディアと地域創生に興味を持つ。

卒業論文のタイトルは「紙媒体としての新聞の社会的役割のあり方~福島県東白川郡鮫川村を事例に~」で、過疎地域など地方部は地域紙がまだ色濃く残っていて、新聞という紙媒体の信頼度や社会的役割は大きいという仮説を検証した。

鮫川村は人口3000人程度の小さな村で、宗形さんは小さい時からよく訪れていてそうだ。人があたたかくて、近所付き合いも多く、お裾分け文化もあって、とにかく居心地が良い印象があったという。卒論時の調査アンケートでは、役場の方の協力もあって、900件配布して500を超える回答が返ってきたそうだ。

研究結果は仮説通りで、新聞などの紙媒体の果たす役割は大きかったという。鮫川村では、一人の記者が週に2回、地域紙を発行しているそうだ。そんなに載せる情報なんてあるのかなと思うが、地域や人口の大小に関係なく、その現場にしかない情報があるのだ。

このアナログ感や人との距離感の近さがその要因なんだろうと思う。デジタルシフトや地方への人の流れといった昨今のトレンドはあるが、本質的に変わらないものが宗形さんの研究からは見えてきたのではないかと思う。

宗形さんが研究活動するにおいての大事にしていることは、「何事にも興味を持つこと」と「出会う人に感謝の気持ちを持つこと」だそうだ。鮫川村を中心に、いろんな地域を訪れてもっと研究や活動の幅を広げていきたいという。

また、これまで学んできた「国際協力」と「地域創生」を掛け算した取り組みにもチャレンジしたいそうだ。特に、日本にくる留学生との交流を軸としたまちづくりの展開を考えている。

鮫川村のような小さな地域は、良くも悪くも顔と名前が見えていて、地域のことを地域の人でやっていく文化が根付いているという。そんな地域に、外の文化や考え方を入れていくことで、また違ったものが生まれるのではないかと思う。そういった地域側の受け入れる環境づくりが今後の課題なのかもしれない。

都市部と地方部での紙媒体の存在感の違いを改めて認識するとともに、紙かデジタルのどっちが良い悪いという二元論で片付けるのではなく、その地域の文化や特性を理解し、最適な手段を選択することが大事だと感じた。

また、それらの間を行き来する人間の存在やその人間同士のコミュニケーションやつながりがあるから、地域にとって有意義な情報を発信することができるのだと感じる回でした。宗形さんの研究成果を私たちが活動する大洗にもインプットしていきたいと思います。

執筆:大洗クエスト 萬里小路忠昭

ちなみに今回のお話とは直接関係ないですが、鮫川村の広報誌がとてもいいなと思い、こちらで簡単にシェアさせていただきます。というのも人口3000人程度で、少子高齢化も都市部以上に進んでいると思いますが、広報誌の表紙やメインコンテンツは「こども」になっています。

今回のお話をフルで聴きたいという方はstand.fmで配信をしています。
(8/1-8/4の4日間に渡って放送予定です。)

次回は2023年8月に開催予定です。次のゲストは宗形さんにご紹介していただく予定です。イベント案内はこちらのPeatixページでご案内します。お楽しみに。

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