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バイオテテクノロジーによる『食』革命はすぐそこまで来ているぞ!

全文無料。

 バイオテクノロジーというと小難しそうですが、昔からある「発酵」や「品種改良」だって立派なバイオテクノロジーです。人間の技術は進歩して、抗生物質の創薬や、バイオエタノール、生分解性プラスチックなど様々な製品を産みだしてきました。

 最新のバイオテクノロジーだとiPS細胞や再生医療がニュースでも多く報道されています。

でも今回は、『食』の話。

 近頃はスーパーに行くと「リコピンがたくさん入っているトマト」なんかもありますね。でもこの記事ではもっと進んだ話を書いていきます。


 近年、遺伝子操作技術に大きなブレイクスルーが起こっており、特定の遺伝子を好きな所だけ操作できるようになりました。それに伴って、私たちの『食』も大きく変化しようとしています。



消費者が望んでいない、ちょっとズレてるリンゴ

 左のリンゴは普通のリンゴ。右のリンゴはバイオテックを使ったリンゴ。

 Okanagan Specialty Fruitsというブランドによって5年前に開発され製品化されたこのリンゴは、スライスされた後も色がキレイな状態のままです。

 Simplot社は、保管中にキズが付きにくく、フライした時に発がん性物質のアクリルアミドが出来ないジャガイモを生産しました。


 でも、消費者のニーズとは、

色が変わりにくいリンゴを食べること? 


 がんになりにくいジャガイモはいいですが、フライドポテトが体に悪いのなんて誰でも知ってますよね。それでも食べちゃうモノ。「今さら体にそんなに悪くないジャガイモですー」といわれても・・・という感じですよね。


 近年爆発的に増加しているバイオテクノロジー食材は、見た目や効果の分かりにくい食材ではなく、イデオロギーや健康に直接訴える商品です。



インポッシブルフードの誕生


 肉はオイシイ。でも肉を食べる為には家畜を殺さなければいけない。
肉の源は牛や豚なので、殺さなければ肉は食べられません。当たり前の事ですが、やはり気持ちのいいものではありません。家畜を殺さずに肉を食べれたらウレシイじゃないですか。


現在はバイオテクノロジーの発展によりインポッシブルフードが開発されました。インポッシブルフードとは、大豆タンパク質を原料にした、動物肉を一切使わない植物由来の人工肉の事です。


 インポッシブルフードはいわゆる豆腐の肉などとは全く違い、肉汁も滴ります。味も完璧に動物肉と同じです。


↑はインポッシブルフードを使ったバーガーキングのハンバーガーです。

本物の肉とは全く見分けがつかないことが分かると思います。


 技術の進歩により普通のひき肉と全く変わらないレベルのタンパク質・鉄分を含んでいます。さらに、家畜の病気予防のために投与される抗生物質やホルモン剤などを一切含んでいない為、むしろ体への安全性も高いとされています。

 さらにイスラム教徒やユダヤ教徒のように食べてはいけない動物がいる場合でも、インポッシブルフードは大豆由来の食材なので食べてOKという認証も得ています。もちろん、ベジタリアンやビーガンでも食べることのできる食材です。



バイオテックを使ったヘルシーオイル


calyxt社では、ヘルシーオイルの開発に力を入れています。

 私のnoteではよく、酸化度の高い油というモノをディスっていますが、calyxt社の油は一味違います。

 calyxt社は、心筋梗塞などのリスクを高める、悪い油の代表格であるトランス脂肪酸を含まず、血中の悪玉コレステロールを減少させるオレイン酸を多く含むオイルの作成に成功しています。この油は酸化も受けにくいというメリットも持つ、油界のサラブレット的存在です。



バイオテクノロジーによる食品革命。


 インポッシブルフードは大豆を使った、『肉と同等の食材』でしかないのですが、バイオテクノロジーの進歩は、食のステージをさらに第1段階推し進めようとしています。

 と、いうのも今回紹介したインポッシブルフードは2.0と言える商品で、1.0の時にはタンパク質や鉄分はひき肉には劣るものしか作れませんでした。研究者は地道な研究努力と遺伝子解析により、2.0と呼ばれる肉と同等の食材を作り上げることに成功しましたが、これが意味するのは、人間がある程度自由に肉の組成を変化させることが出来る時代になってきているということです。

 つまり、ビタミンを増強した肉や、ミネラルを増強した肉などが出てくるのはもう時間の問題と言うこと。さらに、自分の体にとって不足している成分がウェアラブルデバイスで管理され、不足している栄養素を加えた食材を使った料理を食べることが出来る生活が近い未来実現するでしょう。

 さらに、自分の食べたい料理、食べたい味付けの料理だけで、自分の嫌いな食材を食べなくても、最適な栄養素を補給できるようになるかもしれません。

 つらいダイエットや、偏食による肥満、病気などは、今後なくなっていくのかもしれません。ちょっと管理社会っぽくてイヤですけど、健康に悩む人すべての味方になり得るテクノロジーかもしれませんよ。


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