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深夜、堕落したブルーライト、ぼくら勝手に孤独になって輪廻。

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散文詩/自由詩まとめ。
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#音楽

重力・オン・ザ・ミュージック

音楽だけが増えていく
音楽だけが増えていく
この部屋にも街にもわたしの腹にも
あたらしい音楽だけが増えていくの
宇宙は無音なんだって
無音なら
君も詩を欲しがるだろうか

宇宙飛行士になったんだって
すきだったひとに言われた日
スペーススーツのまあるいあたまを
撫でてあげる練習のために
スイカを買って帰った
夏の似合わない部屋で
スイカを抱きしめて眠った
何か孵ればよかったのに
帰ってきてくれれば

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マイクケーブルで束ねたゴミは

 
雑音から守ってやれない
不甲斐なさが喉に詰まって
また何も言えないから
何も聞こえないふりをするよ
有線の安いヘッドホンが
どうにか拾うベースライン
震える心臓がきみに
透けて見えたらいいのにな
そんで目に見えるものくらい
大事にしろって叱ってくれ

あの日 家出でもすればよかった
未来なんか 1秒先でも
ないようなもんだと思いたかった
ぜんぶ歌うためだったなんてこと
思い出したくなかった

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ディスクジャケットは林檎のうさぎ

 
神様が音楽を信じていてよかった、かみさまがおんがくをしんじていてよかった、かみさまが、おんがくを、しんじていてよかった。

 
キライなものがないと上手にいきていけないのに、トマトもにんじんももう食べられるようになってしまった、ちいさな希望を踏みにじって歩いていったひとを憎むより哀れだと思うこと、きっと正しいけど激しくはなくって、激しくなければ、あの日に聴いた音楽のようにはなれない気がした。

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だれにも歌われないクリスマスソング

 

わざと吐いたため息が白くなる、雪は降っていない、聴きたかった曲や歌いたかった曲がシャッフル再生で流れてきたときだけはカミサマも運命も信じちゃいそうになる、けれど、その瞬間に過去も未来も価値を失ってしまうから、音量をあげた、ロックスターもロックスターになれないぼくらもざっくり平等にいつかみんないなくなるけど、音楽も言葉も永遠だよ。永遠、えいえん、エイエン、子どものように繰り返す、絶対忘れな

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