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深夜、堕落したブルーライト、ぼくら勝手に孤独になって輪廻。

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散文詩/自由詩まとめ。
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2022年4月の記事一覧

果汁4.29パーセントのパックジュース

 
100%のグレープフルーツジュースの苦みが好き、かわいいカフェで飲んだコーヒーが美味しかったけど名前もう忘れちゃった、
アプリについてる通知のバッジとか、大して使ってないインスタのストーリーのピンクの枠とか、ゆるせなくって見もせずにただタップするだけの時間、
自分の面倒くささが相変わらず好きで、でも生活や世の中は呆れるほど面倒くさくて動きにくい、
手足と頭がばらばらに意思を持ってるみたいだよね

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ひと呼吸分のHOPE

本棚のどこにも読みたい本がないこととクローゼットのどこにも着たい服がないこと、傾けると絵柄の変わるかわいいカードみたいにちょっとずつ違うの、君に説明できない。
整頓された本棚やぎちぎちのクローゼットのどこにもわたしの入る隙間がなくって、だから、どうせ開きっぱなしの大きなリュックの中に潜り込んで眠りたかった。

  
少しずつ厚く、重くなるよって持たされた辞書が邪魔になる日が怖い、わたし電子辞

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ホットウォーター・フェノメノン

快晴、
玄関先の花が枯れていることに気づかないで迎える朝の空腹、
を永遠に満たせない空白のコップ。

味がしないと思ってたの、水とか、お湯とか。
慣れた白湯の味で反芻する昨日見た夢、わたしはたったいちどしか死ねなくて、だからたったいちどしか愛せなくて、それだけが哀しくて怖ろしいね、
柔らかい肌の向こうから聴こえる産声を争う猫の鳴き声と間違えた日にだけ電話をするね、出ないでね、
代わりのいない猫達、

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