マガジンのカバー画像

深夜、堕落したブルーライト、ぼくら勝手に孤独になって輪廻。

208
散文詩/自由詩まとめ。
運営しているクリエイター

2020年11月の記事一覧

ヨウとエムと迷子のロボット掃除機

 
ヨウが犬をすきだと言うので、わたしは猫だって犬だってうさぎだってなんだってすきでよかったと思う、いつかふたりで暮らすようになったら、ちいさな犬を迎えたりするんだろうか、そうして彼の帰りがおそい夜、わたしはその子を抱いてソファにうずくまったりするんだろうか、ほんとうはおおきい犬のほうがすきだって、いつか言ったこと、ヨウは忘れている、忘れているから、ヨウのことも、その子のことも、すきでいられる、に

もっとみる

1119

今日もしんぞうをひとつ、ころしました。大丈夫です、必要ないやつなんで、ほら、みんな本物の心臓をしなせないために、偽物のしんぞうをたくさん用意して、毎日ころしていきてるでしょ、わたしにもたくさんあるんです、腐るくらい、たくさん。
 
 
馬鹿だから見なきゃいいのに仲良くも好きでもなかった同級生の名前を検索して惨めな気持ちになったりする、知ってますか全部強がりですよ、ネットの海でくらい小奇麗で特別な人

もっとみる

廃遊園地でフューネラル

メリーゴーランド、この世にいない、うつくしくない動物のからだに擦り傷ができて、薄むらさきの腹がまだらにしろくなっている、メリーゴーランド、世の中のものは、みんなおなじだと幼少期に知らされる、この世に足りない、すべてを、持っているのに大事にされない、ままゆっくりほろびていくア、ミューズ、メント。
 
 
にんげんはいつ翼を失ったのかを知るために本を読んでいるらしい、いつ翼が生えたのかを学ぶために言葉

もっとみる