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深夜、堕落したブルーライト、ぼくら勝手に孤独になって輪廻。

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散文詩/自由詩まとめ。
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2020年5月の記事一覧

ぼくたちはこうかいしている

ぼくたちはこうかいしている

 
アルバムをめくると潮のにおいがするもう捨てた服の夢ばかり見る

いちどだけ狼煙がわりに吸う煙草ひかる年確ボタンを押した

選択のひとつにいつも海がいてぜんぶ捨ててもいいよと笑う

君のせいだよと泣いたのに出立の朝も変わらず君は凪いでる

ぼくたちはぼくたちの舟で海をゆく船舶免許ももたないままで
 
 
 
 
もう着ないセーラー服、捨てずにしまいこんだことが、なんの感傷にも未来

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長靴を捨てて六月を待つ

 
将来の夢はお嫁さんだって、言えなかったひとと言いたくもなかったひとだけに見える水たまりがあって、ただ見えるだけ、だからすっと、ほとんど意識もせずに避けるだけ、それだけ、見えないひとたちが走り抜けてはねた水が、光を受けて虹色に見えたりするだけ、ほんの少しすそにはねた水がやけに気になるだけ、それだけ。
 
 
「はやく紫陽花が咲いてほしい」
(雨なんかぜんぶあげる)
「六月の顔になっちゃいたいから

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ホテルハッピーは夢のまち夢番地で

 
ふるいラブホテルのロゴライター、ガスが切れかけたらちょうだいね、も、やして、しまいたかった、心とか、そういうもの、ちゃんともやしてほしかった。誕生日なんか聞かないで、一秒でも先の未来の話なんかしないで、けれど、きみの産まれた日を教えてほしい、何年も先のきみの、しあわせが知りたい、わたしは、きみとちがって、ひとりでもはじまりからおわりまでハッピーバースデーが歌える、アカペラの、へたくそな英語の、

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