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地域通貨でまちを守りたい【わたし、島で働く。】

こんにちは!「わたし、島で働く。」の連載企画。
今回は海士町役場人づくり特命担当で、海士町独自の地域通貨「HEARN(ハーン)」の活用に携わっている鈴木 健睦さんにお話を伺いました。

2021年の夏、離島ワーホリで3週間島に滞在していた鈴木さん。そこで見た大人の島留学生・島体験生の活動に関心を持ったそうです。大学生のときに社会人と一緒に働く経験は、自分の大きな成長になると思い、島体験に参画されました。

お話を聞いた人:鈴木 健睦さん
21歳(取材当時)。神奈川県出身。2021年度10月より島体験に参画。


地域通貨と向き合う

大学生の鈴木さんは、オンラインで大学の授業を受けながら、島体験生として海士町役場で働いています。主な仕事は、地域通貨ハーンの活用を考えること。

地域通貨ハーンとは2005年に作られた海士町独自の地域通貨で、海士町のほとんどのお店で円の代わりに使用することができます。その地域通貨ハーンを電子化し、電子商品券として活用をしています。

その中でも鈴木さんは、電子商品券を導入している事業所のみなさんとの連絡を密にとることをこころがけているそうです。

事業所訪問・対応
①新しく電子商品券を導入する事業所を増やす
②実際に導入している事業所の方にヒアリング
③電子商品券を読み取るQRコードの作成

また、電子商品券の目的、想い、今後に向けての話し合いをしています。
「なんのために電子商品券を使っているのか」、しっかり原点に返る。同じく電子商品券の活用に携わる3人のメンバーとともに、日々考えていると、鈴木さんは話していました。

▼一緒に地域通貨の活用に取り組んでいる刑部さん


店主との出会いで、地域通貨への向き合い方が変わる

鈴木さんにとって、地域通貨に触れるのも、社会人として仕事に取り組むのも初めてのことでした。毎日しなければならない作業に追われていたという鈴木さんは、一人で考え込む時間が長くなっていたそうです。

やりたいことがあるけれど、やるべきことが終わらない。そんな悩みを抱えていたときに、上司の方からこんな言葉をいただいたと鈴木さんは言います。

「マニュアル作成等を含め、事務所にいる時間が多いんじゃないか。もっと外に出て地域や事業所の方との接点を自らつくってみてほしい。」

この言葉を受けて、本格的に事業所訪問に出かけたという鈴木さん。そこで、ある方との出会いがありました。

その方は電子商品券を導入している事業所である「杵築商店」の店主。

事業所が電子商品券を導入するメリットは大きいのか。なんのために電子ハーンを使うのか。海士町に来てたった2ヶ月の自分に何がわかるのだろうか。と煮詰まっていた鈴木さんに、店主の杵築さんは、

「海士町のために考えてくれてありがとう。こういう若者が海士町の力になる。自分の店も儲かってはないけれど、若者がいるから店が開けれている。これからもよろしく。」

と言葉をくれます。

鈴木さんは、「島外から来た、ある意味よそ者の僕を大切にしてくれて、あたたかな言葉をかけてくれて嬉しかったし、もっとがんばろうと思えました。」と話していました。

杵築商店の店主さん

「島体験を始めた当初は自分の成長のためが最優先だったけれど、いつの間にか海士町のためになっているのかを大切にするようになりました。『海士のために』であることが、なにより大変なことも乗り越えられる力になりました。」(鈴木さん)

今では休日や仕事終わりに、お世話になった事業所へ買い物に行ったり、他愛もないおしゃべりをしにお店を覗いたり、

家族の話、これからの話、おじちゃんの自慢話など、を話したり聞いたり、素敵な時間を過ごしていると嬉しそうに話していました。


地域通貨でもっとつながる

素敵な出会いと、一生懸命に自分の仕事と向き合う鈴木さん。電子商品券への想いをお伺いしたところ、「まちに事業所を残していくことが一番のモチベーションになっています。」とお話してくれました。

「なんのために地域通貨を活用しているのか?」

それは、ハーンを使うことで、

・人とお話することを増やしたい。
・お気に入りのお店を作ってほしい。
・海士町の経済を守り続けたい。

という想いがあるそうです。

「だからこそ、紙幣のハーンではなく、電子のハーン(電子商品券)だからこそ出来ることを考えたい。都会のような電子決済の使い方ではなく、海士町らしくハーンに想いを乗せたい。

事業所によってメリットが異なるからこそ、電子商品券を使って、まちのみなさんが海士町内の事業所をめぐっていただけるように考えていきたいです。」(鈴木さん)

地域の方に電子商品券の使い方を説明しています

「電子商品券の目標は、島の人口の10分の1である200人のみなさんに使っていただき、来年度からも島の人に使いたい!と思っていただける電子商品券になってほしい。」と鈴木さんは話していました。みなさんもぜひ海士町で電子商品券を使ってみてください!

▼鈴木さんの日記。電子商品券への想いが等身大でつづられています。


おわりに

今回は、海士町役場人づくり特命担当で、海士町独自の地域通貨「HEARN(ハーン)」の活用に携わっている鈴木 健睦さんにお話を伺いました。

鈴木さんは10月~12月の島体験が修了しましたが、「このまま地元に帰ってしまうともやもやする。まだ中途半端だと感じているので、電子商品券の実証実験を見届けたい。」という想いから、引き続き延長し、島スタッフとして携わっていただく予定です。

また、ハーンプロジェクトでは公式ラインをしています!電子商品券の使い方などを発信しているので、ぜひ登録してみてください!

鈴木さん、今回は貴重なお時間と素敵なお話をありがとうございました

(インタビュー:清瀬  文:嘉根)


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