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島にいると居心地が良い【わたし、島で働く。】

こんにちは。「わたし、島で働く。」連載企画。
今回は海士町役場 環境整備課と、人づくり特命担当の2拠点で働く島体験生の西澤 世寛さんにお話を伺いました。

海士町に来る前までは、漠然と就職活動に不安があったという西澤さん。このご時世ということもあり、思うようにチャレンジすることができていませんでした。

新しい場所で何かをしてみたい、一段と変わった体験をしてみたいことから10月より島体験に参画されました。

お話を聞いた人:西澤 世寛さん
21歳(取材当時)。長野県出身。2021年度10月より島体験に参画。


隠岐島前高校の卒業生に出会った

10月からの島体験に来る前に、一度海士町に訪れたことがあるという西澤さん。それは、同じ大学に通っている隠岐島前高校の卒業生からの紹介でした。

大学生活に少し物足りなさを感じていた西澤さんは、「不安がらずに島に飛び込んでみてほしい。間違いなく人生のいい経験になると思う。」という言葉を聞き、島前に行ってみたい!と強く思ったことを話します。

その年(2021年)の8月には、実際に海士町に訪れ、釣りをしたり、観光したりと島の暮らしに触れ、ゆっくり時間が流れている島が素敵だなと感じたそうです。


環境整備課での仕事

西澤さんは10月から島体験に参画し、海士町役場 環境整備課と、人づくり特命担当の2拠点で働いています。

環境整備課では、主に環境問題であるゴミの分別について取り扱っていました。家庭によってはごみの分別意識に差が出てしまう。その分別意識を高められるよう、西澤さんは3つの活動を行いました。

1つ目は、ごみ収集カレンダーを作ること。
同じく環境整備課で働いている大沢さんと一緒に、収集するごみの種類をカレンダーにしました。

2つ目は、地域にあるゴミステーションのマップ作り。
移住される方も、地域で暮らす方も、近所のゴミステーション以外どこにあるのかわかりづらい。島にはゴミ収集車が1台しかなく、その1台が海士町中のごみを回収している、その大変さを目に見える形にしたい。

そんな思いからゴミステーションのマップが作られました。清掃センターの方が、毎日どんな量のごみを処理しているのか改めてわかる機会になることを目的としているそうです。

ゴミステーションMAP(海士方)のQRコード

3つ目は、清掃センターについて広報活動をすること。
清掃センターの見学をきっかけに、清掃センターのみなさんの仕事量、困りごと、島民のみなさんにお願いしたいことなどを広報として発信することになりました。

ですが、紙媒体での広報は引き継ぎが難しい。3か月で帰ってしまうので持続性が低い。ということから、今回はドラマを作り、あまチャンネルで放送しました。島のみなさんの目を引くよう、「一つの落とし物から始まる、2世代に渡る純愛ラブストーリー」になっているそうです。


地域通貨ハーンプロジェクト

人づくり特命担当では、海士町独自の地域通貨「HEARN(ハーン)」の活用に携わっています。

地域通貨ハーンとは2005年に作られた海士町独自の地域通貨で、海士町のほとんどのお店で円の代わりに使用することができます。その地域通貨ハーンを電子化し、電子商品券として活用をしています。

その中でも西澤さんは、電子商品券のユーザーマニュアルを作ることと、電子商品券の登録をサポートすることを行いました。ユーザーマニュアルでは、PDF版と動画版の2つから確認できるようしました。電子商品券公式LINEから見ることができます。

電子商品券の登録方法を説明中

「ハーンプロジェクトは、まだ未完成で、1つずつ自分たちでつくり上げていました。チーム全体で話す機会が多くて、チーム一丸となって日々業務に取り組んでいるので、自分という存在がどれほどチームに貢献できるのか、考える機会が多かったです。」(西澤さん)

▼西澤さんと一緒にハーンプロジェクトに携わる、島体験生の鈴木さんの「わたし、島で働く。」はこちらから


自分の武器が何なのかを意識しない

2つの仕事をしていますが、それぞれの仕事で求められているスキルが違う。その変化に時には戸惑うこともあるそうですが、この2つの仕事を通して、自分自身の変化したところをお話しいただきました。

「島に来るまでは、自分のために行動することが多かったです。自分ができていないことに挑戦する。自分に足りないものを知る。など、今までスキルや就職活動という目的で行動していました。

でもこの2つの仕事を通して、仕事は自分のためでなく、町のために動かなければいけない。海士町のためになることを考えたい。と重きを置いていたし、実際に町に還元しようと行動できたのが良かったです。」(西澤さん)


また3か月間働く中で、「自分の武器は何か」を考えたという西澤さん。「突出したアイデアもないし、社会や経済が得意なわけでもないんです。」と悩む西澤さんでしたが、だんだんと自分が持っているスキルを考えなくなっていったそうです。

「自分の得意を探そうとしていたけど、自分に足りないものを見つけるようにしました。自分にできないことを知ることで改善点が見つかるし、自ずといいところも見えるようになりました。」(西澤さん)

自分の足りないところは、報告・連絡・相談が少ない所と話す西澤さん。自分の意見を言語化し、コミュニケーションを大切にしている仕事だからこそ、弱い部分が見えてきたそうです。

「考えていることを、パッと相手にわかるくらい正直に伝えたいです。自分が良く思われるために言葉を変換して丸く伝えるよりいいと思うんです。」


そんな西澤さんに、得意なところをお聞きしました。

「普段のコミュニケーションにおいて、年齢や肩書にとらわれないで、自分らしい会話ができるところだと思います。また、その中で、相手と自分の距離感を推し量れることができるようになりました。相手に合わせて、一歩引いて話をしてみたり、一歩深く入ってみたりする。

学校のような場所ではなく、3か月間だれもしらない環境に飛び込んで、仕事をしたからこそ分かったことです。」(西澤さん)


挑戦を応援してくれる仲間がいる

島で3か月間暮らしてみて、西澤さんは「海士町には、自分に近い考えを持っている人が多いと思いました。」と話します。

「考え方に共通点が多いから生きやすい。だからこそ島での居心地が良かったです。誰かが○○をやろうよ!と声をかけると必ず反応してくれたり、自分のしたいことを一人でも挑戦できる周りの目の温かさがある。自分の挑戦に協力してくれる仲間たちが多くいるから、生きやすいなと思います。」(西澤さん)

島体験生のみなさん

最後に、島で暮らすうえで、大切にしていることをお聞きしました。

「学んだことの一つでもある、人とちゃんと会話をすることだと思います。都会よりもコミュニティが狭いからこそ、立場の違う方や年齢が違う方と仕事をする機会が多いです。

全ての方にリスペクトを持ちながらも、かしこまりすぎずに、たくさんコミュニケーションをとることが成長につながると思いました。」(西澤さん)

仕事で関わる方とプライベートでも会う機会があって、この距離感はほかにないと話す西澤さん。島には不便さもあるけれど、工夫しながらも島で生きるみなさんが楽しそうなところが好きだし、これからも、何事にも自分事として取り込みたいと話していました。


おわりに

今回は海士町役場 環境整備課と、人づくり特命担当の2拠点で働く島体験生の西澤 世寛さんにお話を伺いました。西澤さんはインタビューでもおっしゃっていたように、様々な方とコミュニケーションを取っている姿をよく目にしました。離島という小さい規模だからこそ、多様な方とコミュニケーションを取ることができることが大切なんだと改めて気づくことができました。

また現在、西澤さんは島体験を修了し次のステップに進んでいます。島体験での経験を活かして頑張ってほしいと思います。
西澤さん、今回は貴重なお時間と素敵なお話をありがとうございました。

(インタビュー・文:嘉根)


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