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視覚に囁く『小ご絵』

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いつも大きくて立派な扉ばかり見せられてきたように思う。 深く考えることなく、大きくて立派な扉ばかり追いかけてきたように思う。 だけどいつもうまく開けられるわけじゃない。 ある… もっと読む
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#エッセイ部門

みんなの後遺症。

 罹患してないから関係ない、なんて早合点しないで。陽性になった人もならなかった人も、この…

その顔の理由。

 最近コンビを組んだカメラマンが、親しくしていたカメラマン仲間の話をぼそっと語ってくれた…

最近テレビが面白い。

 テレビは面白くなくなった(沈みゆく船が次第に傾くみたいにして)とずっと思っていた。画面…

初恋は深窓に閉じ込められている。

 そこはちょっと不思議な街だった。西岸良平さん(漫画『三丁目の夕日』で有名な方)の描く世…

しないことをする旅。

 いつの頃からか、しないことをする旅が増えた。雑踏を避け、空気の伸びやかさと清冽さを心の…

お次。

 深大寺に行く。十割蕎麦と蕎麦の洋菓子目当てに電車とバスを乗り継ぐ。植物園を経由すること…

大人の英断。

 名も顔も知らぬ彼が言う。「時代が変わってしまったんだよ」と。  買えば済む時代が、モノへの興味を失わせたんだ。彼の言葉を引用すれば、そういうことになる。昨今は、自転車も調子を崩せば買い換えればいいという発想が横行する。なにゆえそのように思ったか。訊けば、目の前に壊れた自転車をショップに向けて押す若者の姿があったという。 「どうするの?」、問えば直すか買い換えるか迷っているという。 「どれどれ」、見るとチェーンが外れているだけの故障と呼ぶには烏滸がましい状態。昭和の剛健は、ち

おいしかったぁ。

 何度も何度も、そしてまた繰り返し何度も断ったのに、「お願いしますよ」の波状攻撃に、つい…

ありがとさん。

 村上春樹氏の新作をひとブロック読んではひと休み。700ページに迫る重量級の大作を書き上げ…

以心伝心。

 君が遠くにいるみたいだ。こんなに近くにいるのに、心が離れている。  だけど。  ふれあ…

『芸は身を助ける』の考究。

 経験は森林の奥地に佇む湖の底に積もる澱のようなものだ。撹拌すれば舞い上がり、心を乱す。…

街と、その壁の、不確かな展開。

 ひと区切りごとにひと休み。70分の1を読み終えるごとにひと休み。読み終える悲哀が日々募っ…

人は誰かを愛し、何かを同時に愛するもの。

 人は愛する生き物だ。誰かを愛し、ペットを愛し、好物を愛し、趣味の対象物を愛する。芸術を…

順番。

 優先順位があって順番が変わることはあるけれど、理性が暴れる感情を抑えられれば整合性を持って順番は決められる。順番は必要に応じて絶えず変化させるものなんだ。  能力に左右されるけど、絡み合ったToDoリストを解いてきれいに並べ替えることだってできる。  このようにして、順番というものは決められていかなければならない。  限定100名様の○○が発売になっただって? それがどうしたの? そんなに急いだって、間隙に電話が繋がることもあるだろうに。電話をかけまくる前にすることがあるで