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振り返りのない人生なんて、生地のないパイみたいなものさ。ちっとも厚みが出やしない。苦渋…
名山という名山はぜんぶ登ったという君。鼻を高くしたところを見せたことがなかった君が、鼻…
春の風は嫌いじゃない。艶かしさに惹かれ引かれて、チラリ素肌の襟元から、いやらしくも大胆…
「ああ、この至福の時が少しでも長く続きますように」。祈りたくもなる幸せに浸れる瞬間という…
時間は残酷だ。ちょっと先の未来も見通させないのに、通り過ぎれば折り目をきっちり刻んで畳…
背伸びして、垣根の上から覗き見て、光るものあれば希望の明るみ。身をかがめすくませてみれば、たちまち影が胸を撫でていく。 立ち止まっても前方から押し寄せてくる明るみは未来で、立ち止まった時に背後から襲いくる影は過去。 わたしは過去と未来の独楽紐に、翻弄されながら回る。 ジュラも白亜も江戸も明治も、書物の中に閉じ込められた。過ぎた時間は鍵かけられてゼラチン状に固まって、たまに扉を開いて人差し指でつついてみれば、ほのかに透けた事柄の亡骸が乳房のようにぶるんと身ぶるい、
時間は空気と似ているね。あるのにわかりにくいし、ないと困る。違うのは七変化の空気と違っ…
春の陽ほど血液をゆるく穏やかに宥めるものはない。「あと5分」が命取り。
「だめだよ。どんなリールを使っても時間は巻き戻せないんだよ」と赤男が嗜めた。流れゆく時間…
人生は卒業の繰り返し。 寂しいかい? センチメンタルはつきものだけど、卒業はもともと…
週が明ける。 毎週、楽しみにしているものがある。 週一木曜日、朝刊の新文対決。 新…
まだまだ不安定な日が続く。時は今、いわば夜明け前。暗がりの、先がよく見えない途上にある…
これまで箸の上げ下ろしにまで口を尖らせていたお上が、人民の芯に頼った。 へえ(、ぷう、ぼばん)。そんなこともあるんだね。 つまるところ、経済再開の策、手詰まりだから、ここまできたらサクセスの鍵は人民にありってなもんで、「制限解くよ」とあいなった。 でも、根治には至らないから、自重を持って活動してねと言われてる。つまり、お上は制限緩める役で、コトが起これば責任はこっち持ちってこと? モヤは残るが経済は(へえ、)ぷう(、ぼばん)とふくらむことでしょう。これで少し