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歯医者さんに行きたくない!

「どうしてここ!磨けなかったんですかね?」

今日もだ。いつも何かしらチェックが入る。

子どもたちが歯医者に行く日は、自宅でシッカリ歯磨きをさせ、その後必ず私が仕上げ磨きをする。普段から、朝晩の仕上げ磨きはしているのだが、ここの歯医者はやけにチェックが厳しく、磨き残しが少しでもあると、こうやって保護者が注意を受ける。だから、子どもたちが歯医者に行く日は、いつもよりも気合を入れて仕上げ磨きをするのだが、それでも、歯垢染色剤は悲しいくらいピンク色。。。

「ここですよ、ほら、見てくださいね。分かりますよね。どうして、なんで、できなかったんでしょうね?!」

嫌味な聞き方をする。いや、もしかしたら、私の心がひねくれているから、そう感じるだけかもしれない。磨き残しがあるということは、虫歯になるリスクが高いということなのだから、これくらいシッカリ伝えてもらえることは、むしろ、有難いことかもしれない。

虫歯があるから通っているわけではなく、定期検診のつもりで軽く訪れたのが始まりだった。その後は「虫歯にならないこの状態をいつまでも保つ」ために定期的に訪れている。。。「子どものため!」「子どものためなんだ!!」と思いながら、もうかれこれ2年通っている歯医者なのであった。

でも、本心は

この歯医者さんには行きたくない!


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時折行われる“前日何を食べたか”チェック。くそ真面目な私は、朝・昼・おやつ・夜、全メニューをしっかりとウソなく記入している。

夏のある日、イオン飲料を飲ませたことを記入した。

「虫歯のリスクが高いということ、知ってますか?」と質問してきた先生に「分かってはいるのですが、夏場は熱中症も心配ですし、飲ませています。」と答えた私。その回答に「熱中症の心配でしたら、水と塩でどうです?」と返され、、、閉口した。

水+塩は理にかなっている。でもこれを日常生活に取り入れるには、我が家としては無理な気がしていた。


とにかく熱心な歯医者であることは間違いないのだ。子どもの歯の状態をまめにチェックし、子どもだけではなく保護者にも細かく指導・説明する。でも正直、その指導全てに真に向き合っていると、日常生活が苦しくなってしまう保護者がいることも事実。現に、私の知っているママ友2人は、その歯医者への通院をやめた。私が通い始めた頃は、次回の予約も取りにくいくらいの人気ぶりだったが、しばらくすると予約がいつでも取れるような状況になっていた。先に述べたママ友のように、通院をやめた方々が結構いるのではなかろうかと推察するし、それが理解できるくらい、私も、この歯医者さんには行きたくない!


普段使用している歯ブラシを持参しての、ブラッシング指導がある。一度だけ、毛先がちょっと、本当にほんの一部分だが、ほんの少しだけ外側に向いてしまっている歯ブラシを持たせてしまった。

「お母さん、これ、なんですか?これ、もうダメですよね!」

先生が診察室から歯ブラシ片手に勢いよく飛び出してきたものだから、たまげた。その圧力に負けそうだったが、私としては注意を受けるほどのくたびれた歯ブラシだとは全く思えなかったし、正直、ほんのこれっぽっちの外向き具合でブラシを交換していたらブラシ代がバカにならないよー!とも思ったので、「え?この歯ブラシのどこですか?」「ほんのこれっぽっちでもダメなんですかぁ?知らなかったです」「今日は勉強になりました。たぶん皆さん、このくらいだったら使われていそうですけど、ダメなんですね。」と、言葉遣いに気を付けながら、笑顔で、だが心の中では反抗心いっぱいで言ってやったのだ!

ほんのちょっとでも毛先が曲がっていたらきちんと歯が磨けないということを、滔々と説明されたが、全く私の心には響いてこなかった。注意をするにも、説明をするにも、言い方ってものがあるだろうが!!と、思ってしまって仕方がなかったのである。

いつも上から目線の指導・説明に、「怖い」という思いを抱いてしまった私には、本当に、この歯医者さんには行きたくない!という思いでいっぱいなのである。




こちらは、“歯医者さんを怖い”と思っている患者さんと、“患者さんを怖い”と思っている歯医者さんのお話。


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わにさんどきっ はいしゃさんどきっ

五味太郎   偕成社


虫歯になったわにさんは、歯医者さんに行くのが、恐怖。

患者さんがわにさんだったので、歯医者さんはわにさんに、恐怖。

ここから二人の心の内が見えてくる。お互いに・・・

「がんばるぞ」

「かくごはできた」


わにさんからも歯医者さんからも、同じ言葉が出てくるが、、、言葉は同じでも立場が違うので受け取る意味合いが全く変わってくる。この言葉遊びの手法?に、ただただ感心させられてしまう絵本。こんな絵本、初めて。脱帽だ!!わにさんの目線で読んでも、歯医者さんの目線で読んでも、第3者として読んでも、とびっきり面白い◎

読み聞かせる子どもたちにとっても、この言葉遊びの面白さは伝わっており、「もう一回読もう」ってなる絵本。“おかわり”の声が上がる絵本って、最強!!


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覚悟を決めて治療を受けたわにさん、覚悟を決めて治療した歯医者さん、終わった後はお互いに「二度と会いたくないな」と思う、ラストに(笑)。


では、私の歯医者通いはどうなったかというと、、、

“入っていた予約をキャンセル”し、“次回の予約日を改めて決めることをしない”でいる。それは、新型コロナウイルスのお蔭。虫歯ではない我が家としては、歯の定期健診的な通院は不要不急のものであり、さらに、学校で行われた歯科健診でも“虫歯なし”のお墨付きを得られたから、余計に“不要不急”だ。さあ、そろそろ覚悟を決めて、次の歯医者をゆっくり探すことにしよう。


20201029



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