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勝手にプレイリスト 〜新宿二丁目のほがらかな人々/ほぼ日刊イトイ新聞編〜

『新宿二丁目のほがらかな人々』(ほぼ日刊イトイ新聞編・角川文庫発行)は、ゲイ3人の鼎談集だ。もともとはほぼ日でWEBコンテンツとして連載をしていたものが、書籍化されている。ゲイカップル1組と、その友人1人の3人が、恋愛の話題をメインに、プレゼントの話や仕事の話、習い事の話、家族との関係まで、とめどなくおしゃべりを繰り広げてゆく。レストランデートをしているカップルの素敵なエピソードから、反対にことごとくマナー違反だった人へのダメ出し、好きな人に作りたいご飯、出張土産のプレゼント

    • 勝手にプレイリスト 〜前置き〜

      家の目の前で物々交換をやっていて、三島由紀夫の『レター教室』が出ていたので、パウロ・コエーリョの『アルケミスト』で交換してきた。 メッセージがついていて、なんだか嬉しかった。 わたしは何もメッセージもつけずに置いてきてしまったのが、ちょっと悔やまれて、わたしだったらどんなメッセージをつけるかなぁと考えてみたら、本に合う音楽のプレイリストをつけることかなぁと思った。 話は横道にそれるけれど、超個人的な話が好きだなぁと思う。 なんでもない一般人の、なんでこの音楽が好きなのかとか

      • 忘れていて、思い出したこと。

        最近、じぶんについて思ったこと。 小さいころからずっと 私はわりと出来ない側の人間でいて、 でもいつの間にか 出来なくない側の括りに入るようになって、 それは頑張った結果だったのだけど、 出来なくない側の括りにいるうちに 自分がいつだって出来ない側の人間だったんだ ということを、 しばらくの間忘れていた気がする。 でも根本的には変わっていなくて よく使われる言葉だと、まさしく私は 人が10やることを100やらないと出来ない人 であることには変わりがなくて、 それを最近

        • カソウスキからしか始められない

          津村記久子さんの『カソウスキの行方』という本を読んだ。 主人公は、職場の不倫カップルの軽いプレイに巻き込まれ、東京本社から郊外の倉庫に左遷されたイリエ、28歳、独身、恋人なし。年下上司の元での倉庫の仕事は居た堪れないし、つまらない。家族は疎遠で不和な関係だし、心を許せる友達は結婚間際で幸せそう。そんな彼女が日々にきらめきを求めて始めたのが、同じ倉庫勤務の職員 森川に恋に落ちた設定で生活することだった。 「恋愛はすごいなあおい」 そう口に出して言ってみるが、棒読みだった

        勝手にプレイリスト 〜新宿二丁目のほがらかな人々/ほぼ日刊イトイ新聞編〜

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          はないちもんめ

          unkowns展2015(東京造形大《作品》×慶應西洋近現代美術ゼミ《批評》) 展覧会の出展作品は以下から見られます。http://igallery.sakura.ne.jp/aiga603/aiga603.html 例えばうとうと眠って夢を見ているとき。目覚めて振り返ってみると、自分の意識がどこかへ流れ出て行ったような、あるいは外から何かが流れ込んできたような感覚を覚えることがある。例えば昔の記憶を遡るとき。自分の実体験としての記憶の背後に、もっと大きな総体的な記憶の影

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          サカナトライブ (2014/1/24)

          SAKANATRIBE(1月24日)「0から100がテーマのツアー」と明かされたSAKANATRIBE(サカナ族)。アルバムツアーではないため、「演奏したい曲を選んだ」とデビューアルバムから新譜までの楽曲が盛りだくさんに披露された。 サカナクションのライブを見て感じたことは、とにかく立体的である、ということだ。オープニングではアンプから出る生音だけが空間を伝い、時間が流れるにつれ、だんだんスピーカーを通して音が 大きくなっていく。小さく空気を揺らしていた音が、気がついたときに

          サカナトライブ (2014/1/24)

          にせんねんもんだい N

          あらゆる装飾をそぎ落としたという印象。にせんねんもんだいの新作EP『N』は、“A“、“B-1“、“B-2”の三曲で構成され、無機質な音の連なりが約40分間続く。どの曲も淡々としたドラムから始まり、そこに不気味な廃墟や何かの警告を思わせるようなギター、ベース音が加わっていく。一曲を通してもそうなのだが、EPを通して、次第に緊張感や焦りが増しているように思える。聞いていると、姿の見えないものに追いかけられているような、逃げ切れないことがわかりながらも必死で逃げているような、そんな

          にせんねんもんだい N

          星野源 STRANGER

          星野源が星野源という殻を突き破った。3rdアルバム『STRANGER』からは、穏やかに優しく心の隙間に入り込むシンガーソングライター星野源だけではなく、爆発的で感情的な動きを見せる星野源の姿が見える。アルバムを象徴する一曲目“化物” のレコーディング直後にくも膜下出血で倒れたという事実からも、一層彼が注いだものの熱度が感じられ、胸と目頭が熱くなる。 STRANGER—「自分の中の知らない自分」。星野源はアルバム12曲を通して、STRANGERを見つけていくことが生きることの

          星野源 STRANGER

          決意表明 再び

          もの書きになる。 音楽ライターとか映画の評論家とか定まった守備範囲はないけれど、もの書きになる。これは私の決意表明と、こう考えるまでの経緯だ。 小学生のときに作家になりたかった私の夢は、中学生のときには音楽ライターに変わっていた。当時ELLEGARDENからロックを聴き出し、アジカン、ストレイテナー、ハイエイタスと王道ロックを聴いていた私は、彼らの声を聞きたいという欲を満たしてくれるものとして、雑誌ロッキングオン ジャパンを読み出した。そしてライターの山崎洋一郎氏の文章に出

          決意表明 再び