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馬車の歴史 古代&近代の馬車 (うまはくブックレット(3))


馬車の歴史 古代&近代の馬車 (うまはくブックレット(3))

 題名のとおり、馬車の歴史について、解説した本です。
 薄いブックレットですので、全時代、全地域の馬車について、扱っているわけではありません。時代と地域とに偏りがあります。

 現代日本で「馬車」といった場合、多くの人が思い浮かべるのは、中世から近世のヨーロッパの馬車でしょう。「シンデレラの乗っている馬車」という感じですね。

 残念ながら、本書には、中世から近世ヨーロッパの馬車は、登場しません。ヨーロッパの馬車としては、古代ギリシアと古代ローマの馬車が、取り上げられています。

 しかし、日本では、古代ギリシアや古代ローマの馬車についても、載っている資料は少ないです。本書は、貴重な資料です。
 他に、インド、古代中国、古代メソポタミアなど、馬車の情報が少ない地域についても、載っています。

 手軽に読める馬車の資料として、本書は、外せません。

 以下に、本書の目次を書いておきますね。

古代中国の馬車  川又正智【かわまた まさのり】
 1 車輛の発明
 2 牽引【けんいん】の発明
 3 馬の家畜化
 4 馬車の出現
 5 中国での馬車出現
 6 中国古典にみる馬車
 7 始皇帝陵の馬車
 8 漢代の馬車

東西文明に見る馬車文化  末崎真澄【すえざき ますみ】
 メソポタミア文明と馬車
  牛、ロバ、オナガーの利用
  メソポタミアへの馬の導入
  ヒッタイトとエジプトの戦車
  アッシリアの馬車利用
  ペルシア帝国の馬車
 ギリシア文明からローマ文明の馬車
  古代オリンピックと戦車競走
 ローマの馬車と戦車
  ローマの戦車競走
 インドの馬車
 中央ユーラシア草原地帯の馬車
 日本の馬車―東西の馬車文明の伝来―
  牛車の利用
  明治時代の馬車の賑わい

座談会 馬車を操作する
     阿部 正
     川又正智
 司会 末崎真澄




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