otas1

ゆっくり、のんびりな気持ちで生きていきたい❗️

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最近の記事

メラ

ボールが来る。 瞬時に反応しステップ開始。 ワンバウンドしたボールに照準を定め打点に入る。 タイミングを合わせてスイング。 「パンッ」 中学1~2年の頃はその事で頭が一杯だった。 野球部、サッカー部は厳しそうという理由で安易に入部した軟式テニス部。 いざ入ると顧問の先生は般若のような顔をした30代の男性だった。 時々吠える般若の叫びは、一瞬にして周囲を凍りつかせる。 しかし、当時の私は般若に認められたい気持ちでいっぱいだった。 男子コートは一面しかなく、部

    • ジグザグ商店街

      スプーンですくい口の中に入れると甘さを追いかけるように、後からじんわりと辛さが広がってくる。 ルーはサラサラというよりトロトロとしたマイルドな仕上がり。まさに40代男子ドンピシャの欧風カレー。 大好きなとんかつに黄卵までトッピングして、最高の休日ランチに仕上がった。 店内は木目調のインテリアで座席はカウンターのみのコンパクトなお店。新築のような清潔感も感じられた。 しかし、店長がテレビで観たよりも迫力があった。 テレビでは20代の男性と紹介されていたか。 身長は18

      • サンタに願いを

        今日は出来るだけ明美さんの横顔を盗み見ようと考えていたが、予想を上回る忙しさでそれどころではない。 そんな中でもウエイトレスで、サラリと働く彼女を3回ほど確認することはできた。 明美さんは来月に大学受験を控え、ここ数ヶ月バイトの出勤日数をセーブしている状態。 しかし1ヶ月前、休憩室で「今年は寂しいクリスマスイブだから働こうかな」と言っていた。 その瞬間、僕のクリスマスイブの予定も自動的に決まった。 1年半前、高校を入学してすぐにここのファミレスにアルバイトとし

        • 明日の夕焼け

          手元の腕時計を見ると16時を過ぎていた。 由美と別れてから無意識の中で5時間近く過ごしていたことに気がつく。 一階ロビーで缶コーヒーを飲んだ後は、フラフラと空港内を徘徊していた。 飛び立つ飛行機を眺めたり、ブランドショップを雑貨屋と同じようなスタイルで無言で店内を歩きまわり、そして出ていく。 疲れたらベンチでまた缶コーヒーを飲むという行動を三回ほど繰り返していた。 ある程度の覚悟はしていたが、今回の失恋はかなりのダメージのようだ。 視界はいつもの半分くらいで地面が

        メラ

          明日は何の日?

          『こんな時は…』の叫びにスキ、コメントして下さった方ありがとうございます。 コメント返信できない状態なんで、テキストでお返しします。 無事、陰性となり家族のある身としてはホッとしました。今日は子供を保育園に送り届けた後、近くの公園に行き紅葉を見に行きました。 自然に囲まれた中、ベンチに座り缶コーヒーを飲んでると、最近の慌ただしい日常を少し忘れることができます。 叫びの文章に共感して下さった方、ありがとうございます。すごく嬉しかったです。 レモンサワーに反応して下さった

          明日は何の日?

          こんな時は…

          今年は外で飲むといったら、もっぱら仕事帰りのレモンサワーです。 まぁ、これが至福なんですよ。 でも、本当は気の合う仲間や友達と、いつもの飲み屋で乾杯が一番なんですよ。 でも新コロのせいで、一番の楽しみが奪われた…。 職場も感染の波が直撃しバタバタの状態…。 スタッフ全員検査…。 あれだけ感染対策頑張ってたのに…。 バカヤロー❗️ 気合いで陰性したる❗️ アルコール消毒じゃ❗️ きっと、誰も悪くないんだよ…。 こんな時やからこそ穏やかに声かけして、優しく接

          こんな時は…

          すみません😣💦 noteのメールが受信できず、まだコメント返信できない状態なんです😓 作品にコメントしてくださった方、返事できなくて申し訳ないです! でも、コメントしてくださった方、ほんとにありがとうございます😊 感謝です😆 これからも、作品読ませてもらいます✨

          すみません😣💦 noteのメールが受信できず、まだコメント返信できない状態なんです😓 作品にコメントしてくださった方、返事できなくて申し訳ないです! でも、コメントしてくださった方、ほんとにありがとうございます😊 感謝です😆 これからも、作品読ませてもらいます✨

          絡まる

          綺麗になっていた。 ずっと黒のロングだった髪が、明るい茶色のショートになっていたのには驚いた。 紺のジャケットを来ている姿も、いつものラフな格好と違って新鮮。 僕が以前プレゼントした、ピンクのハート型ネックレスとの色合いもよかった。 でも一番変わったのは表情かもしれない。 何の曇りもない笑顔。 その笑顔には余分なモノを削ぎ落されて、固い芯のような強さを感じた。 「すごい、変わったね」 「以外にショート似合うでしょ」 「うん…」 空港の国際線フロアは多くの人

          絡まる

          さすって

          先日、職場で「来年のドック検診で胃カメラ希望の人は事務まで連絡ください」と言われました。 僕は今まで3回胃カメラをしたことがあります。 口から2回、鼻から1回。 どちらも地獄…。 口からは入った瞬間に、えずいてしまう。途中から吐気は収まるも喉の違和感との死闘。そして戦闘後にも喉に痛みがズキズキと残る。 鼻からも元々鼻炎アレルギーなこともあり、かなりの敏感鼻で苦しかった。 入った時のツーーーーーーンが終るまで続く。ゾッとするわ。 まぁ、自分の身体の中に管が入るんだ

          さすって

          棘(とげ)

          ハートデザインのネックレスを人差し指でチョンと弾いてみた。 私は今から別れを告げに行く。 彼とは付き合って一年半ほど経ったが、実際に会えた日数は1ヶ月分もなかったような気がする。 勝負の世界に生きる彼はとてもストイックだった。 レースの為に日本中を飛び回り、休みの日でもトレーニングをしていた。 「どうしても身体を追い込みたいから会うのは、また今度にしてほしい」 とデートをドタキャンされた時のことは、今でも忘れられない。 物事はハッキリ言う性格。 でも、真面目で

          棘(とげ)

          初恋

          別に毎回ではないんだけど…。 学生モノの恋愛物語を観たり、読んだりすると中学生時代のある女の子をフッと思い出す。 今時の中学生はもう化粧をしたりなどして、大人びている子が比較的多い気がする。 しかし、僕の初恋の女の子は髪が真っ黒で肩までの長さだった。やや重ためな感じだったかな。 素朴な感じ。 身長は低めで目はパッチリ。 足が速かった。 目立つほうではないけど、明るい性格だった。 そして、とても可愛かった。 その当時、暗黒の中にいた僕にとっては太陽みたいな存在

          初恋

          つぶやき

          夜勤明けの夕方が一番心穏やかに過ごせる。 芸能人の方が謹慎中に介護現場に行ったり資格を取得しようとしたりして、色々バッシング受けたりなど問題になってますね~。 確かに現場の人からすると、「介護は罪を償う場所じゃない」って言いたくなりますよね。 でも、何か「人の役に立ちたい」という思いが目覚め、バッシングを受けようが介護の道で頑張ってくれるなら歓迎しますけどね。 僕の個人的な感想です❗️ 利用者に「夫婦円満」の秘訣は何ですか?と聞きました。 利用者「そんなん、男のア

          つぶやき

          リトルウイング 5

          ノートパソコンをバチンと閉じた。 私は31歳の 独身女で、仕事は競走馬の世話をする調教厩務員をしている。趣味は読書以外は無く、馬と小説をこよなく愛する日々を送っている。 調教厩務員の仕事に就いて10年目に突入したということもあって、一ヶ月ほど前からリトルウイングを主人公にした小説を書き始めた。 この小説を世に出そうとか、そんなことは考えていない。 私の近くにいる人に読んでもらい、競馬というものを深く知ってもらいたいだけだった。 そして、まだ途中なのだが、幼馴染みの京

          リトルウイング 5

          リトルウイング 4

          いったい何をやっているのだろう。意識が頭から飛び出しそうになる。 有馬記念の中山芝二千五百メールコースは、もともと先行逃げ馬が有利といわれている。それなのに、現役最強逃げ馬を後方からスタートしようとして、あわや転倒トラブルという事態を引き起こした。 そして、今はレース中盤というところで馬群に埋もれさせてしまった。 いくら調教師とレースプランが一致したからといって、このまま終わらせてしまったらリトルウイングに申し訳ない。 しかし、思考回路が混乱している今の僕では、この状

          リトルウイング 4

          リトルウイング 3

          山岸には俺の声や想いが届かない。 馬は人間以外なら、どの動物とも話ができる。 それに比べて人間は器用なくせになんで、俺たちと話すことができないんだろう。 ただ無になり、相手の心に語りかけ、耳を傾ければどんな生き物とだって話をすることができるのに…。 フシオウはこのレースを最後に引退するという情報を人間達の会話から盗み聞きをして知った。 奴を打ち負かせる機会は今日しかない。 やっぱり自分の戦い方で勝負がしたい。歯をむき出し、両耳を後ろにしぼりながら、山岸に声をかけた

          リトルウイング 3

          リトルウイング 2

          本馬場に入ると有馬記念ということもあってか、中山競馬場のスタンドから十万人を越える観客が、僕たちに向けて拍手と歓声で出迎えてくれた。 パドックの時「山岸太一」という、自分の名前が入った横断幕を見つけて恥ずかしくも、うれしい気持ちが、今さらに増幅された。 リトルウイングはスムーズに、速歩からキャンターという緩やかな駆け足に入り待機所へむかう。 今日なら勝てる、とリトルウイングの返し馬を見てそう確信した。 待機所では、今から始まるレースの出走場達が、輪になってゆっくり周回

          リトルウイング 2