こころの充電

こころが

ちょっぴり

傷ついて

すり減ったなって

感じたとき

…そうだ！

お湯をわかして

コーヒーを飲もう

ヤカンに水を張り

ガスコンロの火をかける

ただ

それだけでも

無心になり

何となく

気が紛れてきた

…と

ぼんやり

火をかけてたら

ヤカンの底から

火があふれ出ていた

おっと

いけない！

火を弱める

しばらく

ヤカンを見つめていた

ヤカンの底は

きっと

製鉄所で鳴らすであろう

音よりも

数段 おだやかに

やさしく

ささやくように

シューっと

熱が高まって来ているような

音を立てていた

すこぅしだけ

蒸気が

細く

揺らいでいる

もうすぐ出来るから

待っててねと

言わんばかりに…

そんな

柔らかな

蒸気に

顔を近づけ

熱さを肌で

感じてみるんだ

蒸気で

やけどしない距離感で

ふわっとやさしい

蒸気の

感覚

掴もうとしても

逃げてしまう蒸気と

おいかけっこしながら

強い熱気を感じ

離れて

終わる

やがて

火を止めて

マグカップに

入れといた

インスタントコーヒーに

熱湯を注ぐ

かおり立つ

アロマ…

ほら

もう

苦い汁を

飲むまでもなく

既に

わたしは

かおりたつ空気で

しあわせに

おおわれていた

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鯉のぼる/風を受けては/逞しく/大空（たいくう）にゆれ/晴れやかな軒

　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　（2021年5月1日）