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映画「デリシュ!」感想 レストラン×フランス×意欲の大切さ

予想以上に良かった。もっとダークな物語をイメージしていたが違った。フランスの歴史上おそらく初めてレストランが生まれる過程を観れた。美味しいものを誰にでも提供する。いまでは当たり前だが、当時のフランスでは難しかった。美味しい料理を提供できる料理人は希少であり、ノウハウと才能が大切だ。今では飲食店が数多くあるが、当時の料理は貴族のものであり、誰にでも食べられるものではなかった。それを描写しているのが印象的で、階級社会が連想される。料理を作れても、美味しく作れる料理人はごく僅か。一人、地下で夜食として鳥やザリガニを食べる公爵を観ていると、本当に美味しい料理を作れることが大切ということが実感できた。冷蔵庫がない時代、料理には虫が寄っていたが、あれも時代何だなあと感じた。保存するには限界があり、冷蔵庫の存在は料理人にとって重要な要素になっている。とはいえ、あの時代にできた料理にはノウハウがあり、みんなが笑顔になっていた。そーゆー料理が徐々に広まっていく。ただし、当時の料理も今とあまり変わらなかった。美味しそうな料理も多く、現代の料理と本質的にはあまり変わらないのかもしれない。

主人公のマンスロンは宮廷料理人を解雇されてから意欲なくパン作りだけをしていく。そこに謎の女性料理人志望のルイーズが訪ねてくる。そこから色々あって意欲が生まれて、ルイーズの修行として師匠として料理を作るようになる。料理でも何事でも意欲は大切だなと感じた。いくら才能や知識があっても意欲がないと現状維持になり、料理以外のことに気が回らなくなる。現にルイーズが出ていった後は、レストランは閑散としていった。意欲は現代でも、仕事や趣味に非常に大切であり、これがないと建設的な発想も業務もできない。割と、意欲は人間関係により生まれたりする。特に褒められたりすることで、意欲は生まれるものだ。如何に意欲を生み出すか。意外にコントロールできることはなく、人間関係や日常のささいなことで発生する。専門的になればなるほどそうだ。わたしも煮詰まった時に散歩すると、意外に解決することがあり、ささいな行動がすべてを変えていく。本作は、レストランの誕生を描いているが、そこまでには、料理人、貴族、民衆が関わっていて、人間関係がメインになり料理が広まっていく。パンを作っていた元料理人が、ある女性と出会い、レストランを誕生させ、歴史の転換点と重なる。憎しみが違う形でレストランで満たされたシーンが印象的だ。

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