子育てとリーダーシップに共通する究極のゴール
「朝からゲームばかりして! 今日で夏休みが終わるけど宿題は全部終わったの?」
「わかってるよ! 今日中に終わらせればいんでしょ」
子ども達の夏休みが終わる最終日、我が家では子どもに宿題を終わらせることに悪戦苦闘します。多くの家庭でも同様の会話が繰り広げていることが目に浮かびます。
宿題は期日までに終わらせればいいはずなのに、親は早めに終わらせて欲しいと思ってしまうものです。なぜなら、子どもに宿題を終わらせる責任から早く解放されたいからです。
これは仕事におけるリーダーシップにも当てはまります。上司の思いとは裏腹に部下は納期ぎりぎりになって仕事を仕上げてくることがあります。上司としては早めに完了報告を受け、問題がないかの最終確認を行いプレッシャーから早く解放されたいと思うものです。
親は子どもに宿題を、上司は部下に業務を、期限内に終わらせるように動機づけを行い導く必要があります。子育てもリーダーシップも対象とするのは意思をもった人であり、子どもも部下もそれぞれ個性を持っています。
そのため、ある人(子育ての場合は兄)に伝えてうまくいったことが別のある人(子育ての場合は妹)には通用しないという場面が多くあります。こちらの思ったように行動してもらうことが非常に難しく、関わる相手に応じてコミュニケーションを変える必要があります。
子育てとリーダーシップの間には多くの共通点があります。私は子育てとリーダーシップに共通する究極のゴールがあると考えています。はたしてそれは何でしょうか。
「子育ては○○することである」
「リーダーシップとは○○することである」
○○の中に共通する言葉を入れるとすると何という言葉を思い浮かべるでしょうか。
例えば
「子育てとは【(子どもを)指導】することである」
「リーダーシップとは【(部下を)指導】することである」
このような言葉を思い浮かべた方がいるかもしれません。確かにこれも一つの側面としては当てはまると思います。子育てもリーダーシップも相手を指導しなければならない場面がたくさんあります。
しかし、指導するというのはあくまで〝手段〟であって“ゴール”ではありません。指導をした先に何をゴールとすればいいのでしょうか。
子育てもリーダーシップも自分より知識や経験が浅い相手に対して行うことが多いことから、どうしても構図的に上下関係が発生してしまい、こちらの言うことを聞かせる・上手にコントロールしなければという思考に囚われそうになることがあります。このような思考だけで子育てやリーダーシップを行うと最悪の場合どうなるでしょうか。
子育ての場合、言うことを聞かせよう、コントロールしようという思考だけに囚われていると、子どもが言うことを聞かなかった場合に虐待やネグレクトに繋がる恐れがあります。
リーダーシップの場合はパワハラやセクハラに繋がる恐れがあります。
世の中から虐待やネグレクト、パワハラやセクハラが後を断ちませんが、これらを行う人達には子育てとリーダーシップに共通する究極のゴールに対する意識が欠落しているのではないかと思います。
誰もが子どもができれば子育てをすることになります。
部下ができればリーダーシップを発揮することになります。
その時に大切にしたいのは、何をゴールとして相手と関わるかです。
何のために大変な思いをして子どもを産み、子育てするのでしょうか。子育てをしていて心から喜べる瞬間はどんな時でしょうか。
何のために大変な思いをして部下の仕事の面倒をみて失敗した時の責任をとるのでしょうか。部下を育成していて心から喜べる瞬間はどんな時でしょうか。
この問いに唯一無二の正解はないと思いますが、私は子育てとリーダーシップに共通する究極のゴールは、【相手の成長を支援】することだと考えます。
「子育てとは【(子どもの)成長を支援】することである」
「リーダーシップとは【(部下の)成長を支援】することである」
いかかでしょうか。同じ言葉でスッキリと入り、納得感があると思いませんか。(自画自賛ですね。すいません。
子育てもリーダーシップも辛くて長い道のりです。なかなか思った通りにはいかず投げ出したくなることも一度や二度ではありません。
しかし、子どもがつかまり立ちから一人で歩けるようになった時、鉄棒で逆上がりができるようになった時、テストで100点をとって帰ってきた時。
部下が上司の同行なしで商談を成功させた時、社長賞を受賞した時。
そんな時はこれまでの苦労を全て忘れて心の底から喜ぶことができます。これらはすべて、相手が成長した時のことなのです。
子どもは親を選べません。部下も(多くの場合)上司を選べません。
そのため、親や上司が【相手の成長を支援】するという究極のゴールイメージを持って接してくれることを願います。
私自身、家庭では子育てを行い、仕事では部下を育成する立場にあります。【相手の成長を支援】するという心構えを忘れることなく、これからも子どもの反抗や部下からの突き上げにもグッと堪え、彼ら彼女らの成長を支援すべく接していきたいと思います。
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