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ナウシカと海と人生と。 大人になって想う映画の話。

初めて観た映画は何ですか?

私が小学生の頃。
自ら観たい!と言って初めて観た映画は「スター・ウォーズ 帝国の逆襲」。

当時、弟とスター・ウォーズごっこしたなぁ。
持ち手に懐中電灯を使って自作のライトセーバーを作ったなぁ。

「スター・ウォーズ」が好きだった子供の頃の私。
自分と仲間の力で切り開く未来を夢見ていたのかも。

そんなことを思いながら、今回は今まで観た最愛映画たちのお話を。

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まずは「風の谷のナウシカ」。
1984年公開のアニメ映画。
宮崎駿オリジナルの原作漫画を映画化。
最近も歌舞伎での上演や映画館で再上映があり、長く愛されている作品。

最終戦争によって地球が壊滅してから1000年のお話。
世界は「腐海」と呼ばれる森に覆われる。
それは瘴気(毒ガス)を発する菌類の森で、王蟲(オーム)をはじめとする巨大な虫たちが生息している。
人類は衰退しつつ、徐々に拡大する腐海と虫たちに脅かされながら暮らしている。

主人公のナウシカは「風の谷」の族長の娘。
小国の「風の谷」と「ペジテ」、大国の「トルメキア王国」が主な舞台。

ある日、トルメキアの航空輸送船が風の谷に墜落する。
その輸送船には、ペジテから奪った最終戦争で使用した生物兵器「巨神兵」の幼体が積まれていた。
やがて巨神兵をめぐり闘争が勃発。
風の谷もナウシカも争いに巻き込まれていく。

私が観たのは10代半ば頃。
結構人生に大きな影響を与えた。
色んなものや人を受け入れ共に生きて行く「共生」ということを知った。
そして、優しく強く勇気あるナウシカに憧れた。

その後も、テレビ放送があるたびに何度も観て好きになっていく作品。
手描きセル画の映像美と美しい音楽。
ストーリーのスケールの大きさと深さに圧倒される。

20代になり原作の単行本を大人買い。
全7巻中、2巻目の途中までが映画になっていたと知って驚いた。
(その漫画も12年かけて取り組んだ作品で、映画後に完結)

映画上映当時は、ちょっと神話っぽい未来の空想の国のお話って感じだったけど。
今は現実の地球のお話感がする。

マスク生活の今。
地球規模のピンチに世界が力を合わせて乗り切れるのか。
いずれはコロナと共存するようになるのか。

大人になった私は。
昔憧れたナウシカの心を忘れていないかしら。

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2つ目の最愛映画は「グラン・ブルー」。

20代前半頃。
お店だったか街角だったかで見た「グラン・ブルー」のポスター。

夜の海にイルカの群れがジャンプしている。
海面に月明かりらしき光が差し、真ん中には片手をあげた人のシルエット。

その藍色の海のビジュアルに惹かれて観た映画。

物語はギリシャの海から始まる。
水中のコインを取る競争をする少年二人。
フランス人のジャック・マイヨールとイタリア人のエンゾ・モリナリ。

約20年後。
保険調査員のアメリカ人、ジョアンナはアンデス山脈の氷結した湖へ。
彼女は1人のダイバーと出会い恋に落ちる。
それは大人になったジャック・マイヨール。

その後、ジャックはフリーダイバーになったエンゾと再会。
潜水世界大会に誘われる。
シチリアで開催される酸素ボンベ無しの潜水競技大会。
潜水記録を競うエンゾとジャック。NYからジョアンナも駆けつけて...。

旧友でもありライバルでもあるジャックとエンゾの真の友情。
ジャックのジョアンナへの愛と海とイルカへの深い愛。
美しい映像と音楽と切ないラスト。

深い青色の海が本当に美しい。
そしてイルカがかわいい。
ジョアンナもかわいい。

役者さん達が脇役までみんな個性的で魅力的。
エンゾ役はまだ「レオン」になる前のジャン・レノ。

観た時20代だった(純粋だった?)から心に刺さったのかな、と思ったけれど。
その後何度観てもやっぱり良い。(好きすぎてDVD購入した)

若い頃は自分のことばっかりで、自分中心の愛しか知らなかった。
歳を重ね、愛する人の愛するモノごとまるっと愛せる深い愛を知った。
初めて観た時は、この映画のラストの意味を気づいていなかったのかもしれない。
海のように深い愛を知ることができた映画。

アラフィフの今、どう感じるのかまた観てみようかな。
出来れば映画館の大きなスクリーンで観てみたいな。
リバイバル上映しないかな。

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最後にオススメしたいのは「素晴らしき哉、人生!」。
1946年公開のモノクロアメリカ映画。

クリスマスに自殺を図ろうとする、主人公ジョージ・ベイリー。
彼を救ってほしいという家族たちの祈りが天使達に届く。
ジョージを救う役目に任命されたのは、羽のない落ちこぼれ天使クラレンス。
彼を救えたら羽がもらえるため地上へ降りることに。
救いに行く前に、ジョージの子供の頃から今までの人生を見る。

どんな困難に遭っても希望を捨てず乗り越えてきたジョージの人生。
彼は子供の頃から家族と周りの人々のために生きてきた。
ある年のクリスマスにどうしようもない事態に陥ってしまう。
命を絶とうとした時、老人(天使クラレンス)が現れて...。

75年前の映画でモノクロなのだけど、不思議な設定と見せ方が良い。
ストーリーの大半がジョージ・ベイリーの半生。
ようやく天使クラレンスがジョージの前に現れてから急展開。
観終わったら「素晴らしき哉、人生!」とタイトル通りの気持ちになる。

一生懸命生きてても思い通りにならなくて辛くなった事、誰にでもありますよね。
私がこの映画を観たのもそんな時。

何のために生きているんだろう、と自分の存在価値がわからなくなった時。

自分では気づかないけど誰にでも存在価値があること。
この世に存在しなくていい人間なんていないこと。
人は知らないうちに、周りの人に影響を与えているということ。

当たり前のようで忘れてしまっているそんなことを、改めて気付かされた映画。

人生に無駄なことなんて何一つ無い(←前回のnoteにも書いたけど)と、前向きで幸せな気分になる映画。

そして。
人との繋がりや思いやり、助け合いって大切だなぁと素直に思えた。
人の温かさを感じる映画。
このコロナ禍だからこそオススメ。

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一昨年前の年末。
家族で「スター・ウォーズ スカイウォーカーの夜明け」を観に行った。
「スター・ウォーズ」シリーズの完結編。
約40年前の小学生の頃を思い出す。

あの頃、主人公がルークからレイに変わるとは思いもしなかったけど。
完結するまでに、私自身も子供から大人に変わっていた。

色んな映画とともに大人になったな。
これからもたくさんの映画を見たいな。

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