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七夕 18

7月7日。織姫と彦星の1年で一度の逢瀬。
私の苗字は川瀬。
父の包茎手術が成功しますようにと短冊に書いたお願いは、
織姫様と彦星様に届く前に、母にくしゃくしゃにされゴミ箱の闇へと消えてゆきました。
父と母の出会いは20年前の七夕でした。
父が、女子大の寮の門に飾ってあった笹いっぱいにつり下がった短冊を、
女子大生のパンティだと勘違いし、盗んだことがきっかけでした。
当時女子寮の寮長だった母は、
短冊をベトベトに舐めまわしていた父の首根っこを掴むと
地面に叩きつけ、馬のりになりディープキッスをしたのでした。
彼女の年季の入ったディープキッスは、彼の意識を宇宙の果てまで飛ばし、
それは約20光年離れたアルタイルとベガに達したとのことです。
私も大人になりました。
父と母のような運命的な出会いを夢見て、夜空を見上げます。


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