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コッペパン 18


コッペパン。
その小麦粉で出来た美しい稜線を指でなぞると
まるで健康な褐色のギャルを撫でているような感覚に襲われるのです。
しかし、令和2年にはコッペパンを思い起させるような
褐色ギャルはほとんどおりません。
いるのは茶髪色白か黒髪色白の量産型ギャル。
もう目尻を切開したり、鼻に樹脂を入れているギャルは嫌なのです。

ただ、歴史は繰り返すと偉い方がおっしゃっておりましたので、
現在流行が廃れて、その後様々なスタイルが過ぎ去り、
10年前後でまた褐色ギャルが席捲をするはずなのです。

しかし時は残酷なもので、10年後に褐色ギャルの時代が来ると分かっていながらも、私の肉体はどんどん老化という自然の摂理に蝕まれて行くのです。
10年後の褐色ギャルが私に思慕の念を持つことがあるのでしょうか?
私の体は地球の重力に負け、弛み、艶もなくなります。
褐色ギャル達は褐色イケメンにお熱であり、
私のプライオリティなど最下層になるでしょう。
いや、そもそも相手にされないのですから、優先順位すら無く、
社会のゴミとして認識されているでしょう。
いや、ゴミとすら思われず、存在すら認識されていないかもしれません。
人と言う生き物は存在を忘れ去られた瞬間に死ぬのです。
私は自分の存在が無くなる前に、コッペパンを要求します。 


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