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まだ心の整理はつかないけどね。

職場の同僚から電話があった。

これまでずっと同じチームでやってきた仲間。今の職場に同時に赴任したからもう5年は一緒に働いている。これからまだ2・3年は一緒のチームでやっていくものだと信じてやまなかったけれど、とあることがきっかけとなって限界がきたようだった。その原因は私もとてもよくわかるものだった。

今までに彼とは何度も話をしてきた。このチームがどうしたらよくなるか、一緒に悩んだり愚痴を言い合ったりしてきた。彼は私たちに見えるところ、見えないところの両方で、いろんなところに声をかけて、具体的に行動してきてくれていた。それが全く実らなかったと、今までやってきたこと全部意味がなかったと、絶望したと、言っていた。

彼がこのチームで果たしている役割は本当に大きくて、そこからいなくなることを思うと残るものとしては不安が大きい。周りの人は、上司は、管理職は、彼を引き止めるだろう。それは彼がいなくなったら自分が困るからだ。私も最初はそう思った。残ったこのチームはどうするの?って。でも、それを考えるのは管理職や残ったものの仕事なのだ。

安易な引き止めの言葉は、彼にはもう慰めにはならないだろう。彼が求めているのはそんなことじゃないからだ。本当は彼自身が一番ここに残りたいはずなのに、そうできない理由があるから泣く泣く違う道を選ぼうとしているのだ。彼がこのチームに残るように引き止めれば、彼への負担はますます大きくなって、いつか心が壊れてしまうだろうということは容易に想像できる。組織のことだけを考えて、若い一人の青年の芽を摘んでしまうことは、絶対に避けなければいけないことだと思う。

そのために私にできることは何だろうと考える。それは、彼の思いを受け止めて、理解して、背中を押してあげることなのかもしれないと思った。一番近くで、一番長く一緒に戦ってきた同志だからこそ、その選択を受け入れようと思っている。まだ心の整理はつかないけどね。彼が一番いきいきとこの仕事を続けられる環境にいられるように、手伝いたいと思う。

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