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かぼちゃじゃなくて栗の日ーLa Castanyadaー

10月31日はハロウィン。
”欧米(西洋)のお祭り”というイメージが強くて、ヨーロッパでも派手にお祝いされているのかと、バルセロナに来る前は漠然とそう思ってた。

ここバルセロナのあるカタルーニャ州や他のスペイン一部地域では10月31日の夜から~11月日にかけてハロウィンではなく『La Castanyada』というお祝いをする。
日本のお盆のような日で、11月1日の『諸聖人の日』の日にお墓参りをして故人を偲ぶ。コロナ禍で自治体間を自由に行き来できなかった時でさえ、この日だけは移動が出来たので、かなり大事な日みたい。

この『La Castanyada』ではずせないのは、日本でいうおはぎ的存在の焼き栗、焼き芋、そして『Panellets(パナジェッツ)』と呼ばれるお菓子。


松の実のパナジェッツ
私のお気に入りはturrisのもの

私はこのパナジェッツが大好き!
いくつか種類があるけど、特に大好きなのが伝統的な松の実をふんだんに使った小さなボール状のもの。中はアーモンドプードル・砂糖・卵(お店やレシピによってはサツマイモなども使うみたい)で出来たマジパン。
すごく素朴な美味しさで、マジパンの優しい甘さと外側の松の実の香ばしさの相性がとてもいい。面白いことに緑茶とも合う。

10月に入ると市内のあちこちで焼き栗を売る屋台がオープンし始め、パン屋さん、ケーキ屋さん、スーパーなどではパナジェッツを見かけるようになる。焼き栗屋の屋台は11月1日を過ぎても暫くはお店を開いているけど、パナジェッツはすぐに姿をみなくなってしまう。


焼き栗の屋台
焼き芋も買える
ほっくりとした自然の甘みが美味しい焼き栗
スペインのサツマイモはオレンジ!
そして水分多め。

ただこのパナジェッツ、見た目はすごく小さくて可愛らしいのに、お値段はちっとも可愛くない。ひとつで約1.5€もするの…。
来年食べられるか分からないし、季節ものだし、夫も好きなので今年も数回購入させて頂きました。

夏が終わる時には毎年一抹の寂しさを感じるけど、こういう秋の味覚を楽しんだり、秋らしい色を目にすると秋もやっぱり好きって思う。

もし10月にバルセロナを訪れる機会があれば、ぜひお試し下さい!

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近年はハロウィン人気も高まってきて、この伝統的な『La Castanayada』の風習は少しずつ薄れてきてしまっているという話も聞く。ハロウィンももちろん楽しいイベントだけど、こういう地域にしかない伝統は残ってほしいなと心から思う。

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