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【詩】芽吹き_日記_好きな詩の紹介

【詩】芽吹き


鉄の毛布にくるまって
冷えた瘡蓋
そっと剥がした

熟した果実のような体で
初めて感じる空気は
とても痛くて冷たい

さあ、起きなさい!

耳を塞いで聞いた言葉は
そろそろ賞味期限

枯れた体から
涸沢に落ちた種
拾って強く握った

恵の雨が降って
晴れた日に蒔いて
豊穣の季節に
変わり果てた姿で

また会いましょう

さあ、いまだ!



あとがき日記

久しぶりに詩を書きました
外へ出てみると冷たい風の中に春の気配を感じるようになりました
そうか今日から3月か、区切れのいいことで

最近は素敵な出会いや機会が多く、一方寂しさも感じてしまいます

そんな日は最近出会った詩を思い出すようにしています
高階杞一さんの「人生が1時間だとしたら」を引用させていただきます

人生が1時間だとしたら  高階杞一

人生が1時間だとしたら
春は15分
その間に
正しい箸の持ち方と
自転車の乗り方を覚え
世界中の町の名前と河の名前を覚え
さらに
たくさんの規律や言葉やお別れの仕方を覚え
それから
覚えたての自転車に乗って
どこか遠くの町で
恋をして
ふられて泣くんだ

人生が1時間だとしたら
残りの45分
きっとその
春の楽しかった思い出だけで生きられる

『高階杞一詩集』(砂子屋書房)

とても前向きになれる詩です

ところで、私の好きな季節は秋です
春は素敵だと思いますが、楽しい時間は過ぎるのがあっという間でその楽しい時間に身を置くよりもそっと身を引いて思いを馳せたり思い出したりして、楽しむ時間が心地良いんです
ああ、これだから……

秋に新宿御苑でフィルムカメラで撮った写真が気に入っているので載せます

FALLING


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