Ohara Shogo

旅行の記録や日々の暮らし、作品の感想、詩を週一のペースを目標に発信していきます。

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2023年noteを始めてみました

はじめにこんにちは。 2023年になりましたね。私は都内在住、制作会社勤務ディレクター28歳男性です。 年も明けたということで今年の自分の目標として週一で何かを発信することを目標にして、noteを始めてみました。 2022年は自分にとって大きな変化となる年でした。 環境の変化とさんざん悩み紆余曲折した活動もなんとなく方向性が見えてきました。また、コロナ禍になってから初めて一人旅で1週間瀬戸内海を一周した旅をしたことが自分にとって大きな転換点にもなりました。 少し話は変わり

    • 【写真展】In a well | Takuya Maeda

      友人で写真家の前田拓也さんのIn a wellという展示を見てきました。 photo by miu kurashima コントラストが濃く鮮やかでダイナミック。 一方、どこかハッキリとしない抒情性を感じます。 夜に差し掛かる直前の夕暮れ 陽が当たらないビルの隙間の影 どういうものなのかハッキリしないが構造としてかっこいいもの まるで印象派の画家のような筆裁きの点描 青がとても鮮やかで多彩でこんなにいろんな色があるんだと特に印象に残りました。現実で見る色よりもまるで思い

      • 【詩】灯台

        わたしが変わらなかったら あなたは変わった わたしが変わったら あなたは変わらなかった わたしはあなたを見失った 変わらないあなたが好きだった わたしはあなたを愛していたい 変わり続けるあなたがすてきだから わたしの船は濃霧に差しかかった 岸辺の方に見える灯台 ずっとそこにいるように見えて 絶えず動いているようだ 波の音が響く ずっと何かを探している 沈みかけた船で わたしは微かな光を見た

        • 「ラジオネーム やきそば」

          こんばんは。 先日うれしいことに誕生日を友人に祝っていただきました。 美味しいワインに色とりどりのお惣菜を用意いただき、気が置けない友人たちと好きな音楽を流して囲む食卓はこの上ない幸せでした。 珍しい食べ物が多かったので、作り方やどこで買ったのかとか聞いては驚いて、その度にありがとうを言いたい気持ちになりましたが、恥ずかしくうまく言えません。「誕生日という建前で食べたかったんだよ」と茶化され、その時は肩の荷がおりたのですが、優しさに気付いた時はその場にいない自分が愚かでし

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        2023年noteを始めてみました

          【詩】水面から

          水面から覗く世界は気持ちがいい 音がこもって心地よく響くからだ 俯く人と不意に目が合う可能性だって秘めている まずは鼻に手で栓をして上を向いて潜る 目をうっすら開けるとシンメトリーなぼやけた世界 ゆらゆら ゆらゆら 水面に上がりしばらく上をぼんやり見た 今日この頃は特に思い出してしまう 古傷が痛む首元にそっと手を添えくれた 今は不器用に湿布を痛む反対側の手で2枚 ぺたり ぺたり 貼り付けた 水面に映る街灯の 間から望むと逆光で 目が眩み先が見えない

          【詩】水面から

          【詩】もっと大きな愛

          クレオパトラも涙を流したのかと 孤高に思いを馳せたあの早朝 私の隣に現れた人のことを思い出していた みんなと違う方を向いているんじゃないかと 俯きかけていた私の肩を抱いて こっちだよと灯りをつけてくれた 私はあの人を見様見真似で 私を演じていたけれど どうやらうまくいってないみたい 意図よ伝わらないで伝えないで 君と繋がった細い糸が切れないように 何かもっと大きな愛で また私たちを包んでください

          【詩】もっと大きな愛

          新宿の鳩

          春爛漫な日が続いていた だが、今日はとても冷えて雨が降っている ひと仕事を終えて高層ビルを出ると 目の前の広場で鳩が数匹 首を収めてじっと動かないでいる こんな姿初めて見た いつもなら人の往来に目をくれず、我が物顔で道を行ったり来たり 朝にはあのリズムで私たちを起こしてくる あの鳩がただただじっと 雨に濡れながら耐えている 思わず「かわいい」と口に出してしまった 周りの大人たちも物珍しそうに通りすがらみている 「え、今日だけすごい寒い。とりあえず、ここで耐えるか

          新宿の鳩

          【詩】芽吹き_日記_好きな詩の紹介

          【詩】芽吹き 鉄の毛布にくるまって 冷えた瘡蓋 そっと剥がした 熟した果実のような体で 初めて感じる空気は とても痛くて冷たい さあ、起きなさい! 耳を塞いで聞いた言葉は そろそろ賞味期限 枯れた体から 涸沢に落ちた種 拾って強く握った 恵の雨が降って 晴れた日に蒔いて 豊穣の季節に 変わり果てた姿で また会いましょう さあ、いまだ! あとがき日記久しぶりに詩を書きました 外へ出てみると冷たい風の中に春の気配を感じるようになりました そうか今日から3月か、区

          【詩】芽吹き_日記_好きな詩の紹介

          【エッセイ】超完成系ラーメン

          私の家の近くにはひそかに「超完成系」と呼んでいるラーメン屋さんがある 「我が欲望を満たせ」という気持ちを込めて呪文を上手に唱えると出てくるもの、のようなものだ そこに呪文は存在しない、あるのはラーメン小中大である ある日私はお仕事の合間に足を向かわした するとシャッターは閉まっていて 「木金は休みます」 私はぐっとその吹きこぼれそうな欲望を飲み込んだ ついに土曜日になった 私は9時に起きて11時半になるまで椅子に座り前屈みで手を組み足を揺らしながらその時を待った 「あ

          【エッセイ】超完成系ラーメン

          【詩】畔

          寝落ちから目が覚めて スタンドランプとハロゲンヒーターを 落とします 再び寝ようとするけれど 早朝の湖 森の囁きにうなされて 私の心にリフレイン イエスオアノー オールオアナッシング 私に立場はありません 曖昧なことは どうすればいいですか? 深い霧がかかっている 私の心象 強い風が吹くのでしたら 対岸まで泳ぎに行きます

          【詩】畔

          【詩】友人

          君のことを実は知っている いや、不意に知ってしまったことだ 君が傷ついていて、今も引きずっていることを 僕は君を抱きしめてやりたい そっと頭を撫でて どうしてそんなことが 罪深く感じてしまうのだろう

          【詩】友人

          【詩】誰かのささやき

          「もう土木草にでもなりたい」 芽吹くところがきっとある 「もう動けない」 そっと寄りかかるといい 「もう我慢できない」 曝け出せばいい 「もうだめかもしれない」 忘れるといい 時が教えてくれる 「もっと愛されたい」 愛してみたい 「もう消えてなくなりたい」 * * * 日没時間16時30分 彼らは車を海に走らせた 高速の一番右側を 赤い光の軌道だけ残して 目的地より少し遠くに見つけた駐車場には くたびれた太陽と海が広がっていた 彼らはうっと

          【詩】誰かのささやき

          【詩】防波堤を望むベンチ

          海に浮かぶ小さい島の山道を歩いていると 二人がけのベンチが二つ現れた 片方は若い男女が座り、もう片方は誰も座っていなかった そのベンチの目の前はちょうど木々がぽっかり空いていて ひとり浮かぶ防波堤がある海の景色だった 僕は通り過ぎたが引き返して空いているベンチに座った その防波堤の横を客船が通り過ぎていた それはもはや防波堤なのかわからない とにかくただまっすぐに伸びるコンクリートだ 空と海はその境界を見失いひとつになるのだったら、それはひこうき雲にもなれる

          【詩】防波堤を望むベンチ

          【詩】旅で気づいたこと

          ぼくはいつも異邦者だ 東京に住んでいるけど、外側から見てしまう トラックが通り過ぎるのを公園から眺めていた 君が好きな缶ジュースを飲んでみた そこにあるのは、悲しみではなく彼女の存在 そこで気づいた 本当はそんな他人の姿を見たかったんだ 他人を理解するのは他人になるだけだから 誰もいないところが好きだけど、本当は寂しがりやなんだ ぼくはどこにいてもぼくなんだ Traveling all round(returned) I’m a stranger any

          【詩】旅で気づいたこと

          【詩】水栓

          まだ母親と一緒じゃないと寝れない時期のことだ 僕は人よりも乳離れが遅かった きっとこの愛おしい温もりから離れることは世界で独り歩くことだと思っていたからだ あるとき僕はお風呂に母親と入っていた ジャンプーをし、洗い流してる間目をつぶっているときだった こんな時間はずっとは続かないんだと感じた 悲しみ、愛おしさ、死、期待、不安、快感 すべてが混じり合った水の重力だった この感情は大人になっても忘れることはなかった、初めての記憶であり感覚だ ずっとシャワーを浴び

          【詩】水栓