ベンチャー起業する方法について手順まとめ

X(Twitter)で起業までのステップを投稿したところ、かなりのシェアを頂き、この分野の知識は希少なのかもしれないと思いました。
noteで、「ベンチャー起業」にエントリーするための方法論を更に詳しくまとめます。

有名な会社でサラリーマンする 年収500〜1500万ほど

起業してから前職の経歴の話はよく使う(融資、採用、営業、広報などのシーン)ので、有名な会社にいたほうがいいです。openpageの場合は自分がビズリーチ出身だったので話を聞いてもらいやすくなりました。
こういう経歴の人が経営しているなら安心だ、と思われやすくなります。優れた会社の運営方法を知っていると、自分が経営をする際の参考にもなるので、キャリアにはこだわりましょう。
個人として業務委託で独立するうえでも、どの会社の出身かで取引先に選ばれやすくなります。
また、出来れば1職種の専門性を極めながらも、複数の職種をまたいで関わる仕事をしていたほうがいいでしょう。社長になると、言葉通り会社の全職種の長として業務をしなくてはならなくなるからです。社長にはバランスが必要です。

副業という名の業務委託で現金貯める 貯金100〜300万ほど

有名企業での経験をもとに副業をしましょう。目的は、創業融資を得るための貯金をすることと、個人として会社以外でお金を得る成功体験を得ることです。業務委託で月10〜20万円で働けば、2年ほどで100〜300万円の資金が貯まります。
創業融資には最低でも150万円〜の自己資金が銀行から求められ、貯金がなければ事業のお金は借りれません。自分も業務委託で同様の貯金をしました。
今後の資金調達のことを考えると、個人事業の過程で法人成りしておいたほうがいいでしょう。freee会社設立で25〜30万円ほどで設立できます。会社運営の年間コストは税金で最低7万円で、意外と高くありません。融資を受けるにあたりネット銀行とメガバンクの法人口座も作っておくといいです。

経歴と現金の信用で創業融資借りる 調達500〜1000万ほど

副業から、スモールビジネスの事業にレベルアップするには、ある程度の元手が必要です。はじめての資金調達は、政策金融公庫に事業計画と提出書類を用意して、面談のうえ融資を受けるのが一番です。
創業融資を得るには事業説明、資金使途、事業計画(PL)を書面で用意したうえで面接が必要です。自分でも勉強しつつ、創業融資支援の会社や士業にも相談したほうがいいでしょう。
調達金額の成功報酬5%などで資料作成や面接同席などサポートしてもらえます。openpageではINQに依頼しました。

受託や人材などスモールビジネスしつつベンチャー事業を構想する 年商1000万ほど

何も事業がない状態で起業しても、生活ができません。
副業の延長線で本気で事業化し、スモールビジネスで月50〜100万円は稼げていると安心します。そこまでの売上が見込めると思ったタイミングで、有名企業を退職し、創業融資の資金を使いながら、会社を回し始めます。
法人として契約書や提案資料、税理士依頼、ホームページ作成なども必要となり、諸々のお金がかかります。openpageでも、弁護士に規約作成を依頼したり、税理士に記帳を頼んだり、パワポ制作会社に資料作成を依頼したりして、お金がかかりました。
また、次の展開としてベンチャー事業を起こすうえではエンジニアに開発依頼を出す必要があります。補助金は先払い(入金は後)なので、開発の発注ができるくらいの資金がそもそも必要なのです。

エンジェル調達とものづくり補助金で調達する 調達1000〜1500万ほど

ある程度の経歴があり、個人としての仕事の受注経験があり、融資も受けていてベンチャーのアイデアがある、という状態であれば、エンジェルからの投資の可能性があります。
エンジェル投資の金額は100〜300万円ほど。株主とは、今後ずっと付き合うことになるので、出来れば仕事上の知り合いに出資をしてもらったほうがいいでしょう。エンジェル調達の手続きは、GVA法人登記で知り合いに頼りながら手続きしました。
また、今後のベンチャー企業としての事業プランは当然説明したほうがいいです。知り合いを動かさないなら第三者は尚更動かせません。
そして、この事業プランはPowerPointやExcelで作成するだけではなく、現実的に形にする必要があります。プロトタイプの構築をエンジニアとデザイナーに発注しましょう。

ベンチャー事業のプロダクト構築、最低限のトラクションつける 開発費-2000万ほど

シード期のベンチャー事業であれば、デザイナーに500万、エンジニアに1500万円は最低でも発注したほうがいいでしょう。これでも金額は小さいほうで、ギリギリ動くが完成版とは程遠いものです。
この状態でトラフィックをつけるには、製品に加えてカスタマーサクセスの設計や運用をちゃんとする必要があります。つまり、人的支援の業務を増やして、製品の完成度の低さをフォローしなければならないでしょう。
openpageも同じくらいの開発費をシード期にはかけ、製品の完成度は満足のいく出来ではなかったのですが、コンセプトに共感した初期顧客を複数社獲得することが出来ました。

アクセラレータープログラムに参加、主催者にリードで投資してもらう 調達0.5〜1億円ほど

動く製品があり、有償で利用している顧客がいる。会社員時代の経歴が十分にあり、ベンチャー企業としてのプランニングも有望であれば、シード起業家向けのアクセラレーターに申し込みできます。
openpageは2社のアクセラに応募して、ITV(伊藤忠)が始めた社会人向けのアクセラレーターに採択され、そのままITVからの投資を受けました。
アクセラレーターでは主にエクイティストーリーの磨き込みを行います。VCの目線を学び、自社の事業をどのように成長させていくかのヒントにするのです。
投資を受けるには、億単位になると優先株を使うので、弁護士相談は必須となります。またシードであっても数値計画や謄本など各種書類を揃えないといけません。
そして、この資金調達はあくまでベンチャー起業の始まりであり、この次のシリーズAまでの高いハードルが待っているのです…