それでもやはり、意識せざるをえない(小野美由紀のマガジン)

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記事

『軽い男じゃないのよ』を鑑賞

5月某日

原宿なつきさんというライターさんに、WEZZYさんにて『ピュア』をご紹介していただく。

この記事中に出てくる「軽い男じゃないのよ」というフランス映画が気になったのでNETFLIXで見た。(日本語字幕あり)

端的に言って、とても面白い映画だった。

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小説にテーマは必要か

5月某日 曇り

なんだか鬱々として気が晴れない。助けが欲しくて、小説家の友人に電話。彼女の声は優しくて、電話越しでもコットンに化粧液が染み込むようにすーっと耳に染み込んでくる。

「まだこたつをしまってないんよ、なんだか涼しくなったり暑くなったりでわからんやろ、中学生の時からずーっと使ってるこたつなんやけど」と言う彼女の言葉に笑ってしまった。こたつでずっと書き物をしているらしい、子供の時から、何

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自分自身につく嘘の痛さ:「フリーバッグ」

女は平気で嘘をつく。自分にも他人にも。

5月某日

自粛が続いてすることがない中で、Amazonプライムで配信されている「フリーバッグ」というドラマを見た。

傑作だった。

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新型コロナ鬱熱日記

4月某日

緊急事態宣言につき完全に家の中で過ごす生活が始まるも、何も変わった気がしない。そもそも4月は新刊のプロモーションの時期なのであえて仕事を入れておらず、特にする事があるわけじゃないので暇なのだ。

とはいえ慢性的に体調が悪いのは、やっぱりストレスなのだろう。先が見えない不安からというよりは、書店が次々に休業を決め、新刊が思うように売れないという事があり、それから来る不安だ。紀伊国屋書店が

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「見られる」ことが人を作る

3月30日

「ピュア」の白焼きを提出(白焼きというのは印刷前の最終決定版みたいなものです)。白焼きの訂正にはお金がかかる、ということを知らなかったがために、限界まで修正を入れてしまう。編集者さん、制作の方、ごめんなさい。

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物語に「つかまる」とき

小説集「ピュア」が脱稿する。

あれだけ無理無理無理って担当さんに泣きついて、辛い思いをしながら書いたにも関わらず、早川書房でゲラを出し終わって喫茶クリスティー(早川書房1階のカフェ)でインタビューを受け、タクシーに飛び乗った瞬間から早くもロスに陥り
「ああ、もう私はこの物語を書くことは一生ないのだろうな」という思いがこみ上げタクシーの中で号泣してしまった。

物語が生まれてくる瞬間というのは不思

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2020年1月のかくかくしかじか

1月1日

年が明ける。

寒いのでいわゆるパンティーの上に、ユニクロのヒートテックとタイツと毛糸のパンツを履いて出かける。

途中、カフェで尿意を催し慌ててトイレに駆け込み、スカートなので手探りで一気に引き下ろして用を足したら、なんだかだんだんお尻があったかくなってくる。

どうしたことかと見たら一枚脱ぎ忘れてた。

これが34歳になったばかりの年明けのことかと思うと情けなさで涙が出そうになる。

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国外に届ける

映画「わたしは光をにぎっている」の中川龍一郎監督とトークイベントをした。

「わたしは光をにぎっている」は、田舎から出てきて、東京の下町にある銭湯で働くことになった女の子の日常を描いた映画だ。

監督自身が「街の記憶を残したかった」とおっしゃる通り、人よりも、今、そこにある街の景色を切り取ることに情熱を傾けた映画である。

友人の税所あつよしくんが企画したイベントで、ちょうど「メゾン刻の湯」とスト

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自己主張の強いビッチか、弱者同士の連帯かーJOKERとル・ポールのドラァグレース

今更ながら「JOKER」を見る。

まともに見たら2日は寝込むだろう、と思い「絶対に!主人公に!感情移入しないぞ!」と身構えながら見たのだが、いざ始まると隣で一緒に見ていた中国トレンドマーケターのこうみくちゃんが「つらいつらいつらい」だの「まじ無理……共感しすぎちゃう……」だの終始ブツブツ言いながらブルブル震えていたため、"自分よりも感情的な人を見ると却って冷静になる"理論により終始平坦な気持ちで

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