KILLING ME SOFTLY【小説】127_鏡に向かって指を刺せ
毛布に包まり微睡む、夜半の夢現つでライブ配信の通知が届き、スマートフォンを掴んで飛び起きた。写真共有SNSを開くと、そこにはかつての親友がいる。
「あーこんばんはー。みんな元気?これ、ホントはやるつもりなかったんだけど。うん。そう、ナツね、啓裕くんとお別れしちゃったの……。」
鼻声、涙で崩れた化粧、美しい顔面にも及ぶ多量のピアス、知らぬ間に増えたタトゥー、だらしない服装。アルコール度数が高い缶チューハイを飲みながら画面に向かって語りかける姿が同情を誘い、私という捌け口を失