マガジンのカバー画像

Give-and-Take

644
わたしが公開した写真や記事を使ってくれた御礼としてマガジンにまとめています。
運営しているクリエイター

#小説

『美味しくなりたいお年頃』

「可愛すぎて食べちゃいたいって気持ち、わかる?」 あの子は無邪気な声でそう言った。 どういうこと? と少し怪訝な声で返すと、あの子は… 「可愛すぎて、好きすぎて、あーもう食べちゃいたい!って気持ち。割と本気でパクーって!」 と、続け、 彼氏のおしりが可愛くて齧ったら叱られた話を語った。 食べちゃいたいって… 比喩じゃなくて。 本当に…? 食べちゃうの? そのまま齧ったら痛いじゃん… この人やばい人だな…。 と、思う反面 私とは逆だな とも思った。 私は好きすぎて

短編小説 | 海鳥

例えばそれは、三番目に好きな人と、大して盛り上がらないデートをしてしまった日の帰り道のような。そんなもやもやを抱えたまま、私は船に乗っていた。 何もかもが灰色に見える、寂しい港を出発した時には、私の他に乗客はいないと思っていた。デッキを少しだけ歩き、細い入口を通って、むっとする空気が漂う船内に入ると、そこには何組か乗客がいることに気がついた。 私は進行方向を向いて座れる席の、できるだけ近くに人がいない場所を選び、座った。 静かな船内には、船のエンジン音が響く。 やがて緩や

私の師匠は宮沢賢治

ブランクは多々あったものの、小学3年生から小説などを書いていました。 海月といいます。 小学生の時に書いた小説はほとんど覚えていないし残ってもいないけれど、たまたま残っていた当時の小説がありましたので公開させていただきます。 未熟な文章と内容で公開するのは少し恥じらいもありますが、一時期宮沢賢治さんの世界観に憧れていた私の世界観を少しでも感じていただけたらと思います。 内容は変えていませんが少し改良済みです。 短編ですが花火の話です。 #創作大賞2023 #ファンタジ

【一日一詩】 レッドウィング

赤い砂漠に舞う赤い羽 誇り高く空高く 身体は地上にあっても 魂は天空にあり 赤い魂が燃える 黒い大地に燃える レッドウィングインブラック 赤い煙をあげる赤い馬 勇ましく気高く 翼を持つように走り 魂は天を駆ける 赤い魂が燃える 黒い大地に燃える レッドウィングインブラック

DNA

聞いていた死因  昔隣のお婆ちゃんが亡くなり、お線香をあげに行った時に、僕の父親が「何で亡くなりました?」と聞くと、お婆ちゃんの娘さんが、「母は心臓が弱くて…。」 と応対してくれた事を思い出す。  僕が結婚する時、僕のお婆ちゃんが「お嫁さんの祖母、祖父は亡くなっているかい?」と変な質問だなと思いながら、僕は「心筋梗塞だったかな」と答えていた。  今になり思った、いわゆる“遺伝”の事を聞いていたのだった。  自分がまだ若い頃は感じていなかったが、 遺伝というものを年齢を

KILLING ME SOFTLY【小説】127_鏡に向かって指を刺せ

毛布に包まり微睡む、夜半の夢現つでライブ配信の通知が届き、スマートフォンを掴んで飛び起きた。写真共有SNSを開くと、そこにはかつての親友がいる。 「あーこんばんはー。みんな元気?これ、ホントはやるつもりなかったんだけど。うん。そう、ナツね、啓裕くんとお別れしちゃったの……。」 鼻声、涙で崩れた化粧、美しい顔面にも及ぶ多量のピアス、知らぬ間に増えたタトゥー、だらしない服装。アルコール度数が高い缶チューハイを飲みながら画面に向かって語りかける姿が同情を誘い、私という捌け口を失

女子高生ホテルマンがぼくを救ってくれた

大学2年の頃、リゾートホテルで働いた経験がある。 働いた、といっても、当時あったインターンシップの制度を使って実習に行かせてもらったので、厳密には短期で無給だ。 期間は2週間で、大学が夏休みのお盆期間に受け入れてもらった。 つまりホテルの超繁忙期に無給で働くのだから、ホテルにとってはありがたい労働力だったろうと思う。 当時のぼくは、大学卒業後は観光業界に就職したかったため、この2週間の実習をとても楽しみにしていた。将来のために良い経験を積んでおけるし、業界を覗き見できる

今日のごはん #336(2022/10/13)

2022/10/13 ・朝 ポテサラサンド ・昼 なし ・夜 豚肉の野菜炒め、たまごスープ、ごはん 今日も美味しかったです。 ごちそうさまでした。

幸せになれる人は何人なの~現代詩~modern poem

幸せになれる人は何人なの 訪ね歩く 足が棒になろうが ヒビがはいろうが 生きていくことに 執着する。 それは 家族ができたから 守るものができたから。 1人でも 同じでしょう 私は 一生1人で生きることを決めたの マウンティング とらないで 本当に かなりの 強い声 何もあなたから とらないよ 何も あなたを とらないよ だから 静かに 自分らしく 生きよう ただしさとは なにかな。 幸せになれる人は何人なの 訪ね歩

【一日一詩】 どこでどこかで

いつかたしか会ったよね どこで会ったか覚えてないけど 会いたかったことは確かだよ だって会ったらあったかかった どこで会ったかなんて どうでもいいよ 会ったかよりも暖かさ どこで生きてもいいじゃない どこで死ぬかはわからないけど 生きたいことは確かだよ だって息したら気持ちよかった どこで生きるかなんて どうでもいいよ 息するように生きていく

note連続小説『むかしむかしの宇宙人』第57話

→前回の話(第56話) →第1話 「できた」と、わたしは小さく息を吐いた。 そこには、頭に思い描いたワンピースが実在していた。 生地だったとき以上に緑色に白の水玉がよく映えている。自分で作ったとは思えないほど素敵な洋服だった。 美加子さんが満足そうに言った。 「いい出来じゃない」 ワンピースから目が離せない。眺めているだけで、幸せな気持ちにひたれる。自分で洋服を作ることが、これほど心弾む体験だなんて。 バシャリがせかすように言った。 「幸子、早く着てみてくだ

朝一

子犬を飼ってから、朝 いつもよりも早く起こされる様になった 基本的に、僕は、朝 早い方だけれど、それでも30分早くなるだけで お昼頃眠くなる 最近、やっと身体が慣れてきて、朝7時前に起きても 眠くならなくなってきた。 習慣って凄いなぁと改めて感じた。 しかし、最近 子犬が起きるのが遅くなってきている!! 僕が7時前に起こそうとすると、まだ眠いって顔して二度寝する 7時前に起きる様になってしまったのに、なんてこったい笑 習慣にすると、何でも、意外と普通に出来るんだぁなと

スーパーハイテンションガールミーツボーイ050

今宵も忍びの者が浸り寄る、音もなくそれは去ってゆく。 今日もアマゾン・ポストマンによる置き配が。 配達数分前に電子手紙による通知が我もとに寄せられたのち、それはあった。 本日も見事である。 さすがアマゾンからの使者、影も残さず去ってゆくあたり、おぬし只の町人ではないな、無礼者!くゆらしてやる、煙を、焚いて、喜んで、花板さん!海苔子さん!「巻いてっ」「喜んでっつ」「巻きますっ手巻きでっ」おおっしまっやー海苔!♪(この一連の下り、往年の関西ローカルCMです。わかる人はかな

人に配慮する気持ちを持とう!

すきゾ!の通話グループで、「アツシさんは 人が答えたくないような事でも、聞くのは、君の悪い所だ」と言われた。 確かに作業所に通うようになったのも、「人に配慮する心が欠けている」だった。 友人の女性がアニメのキャラクターの絵を描いて来た時に、「ビミョー」と言って、その人を傷つけてしまった事もあった。 その人は何日も掛けてその絵を描いたんだろうなーと今思えば、分る。 一度、思った事を頭の中に仕舞って、言ってもいい事なのか、悪い事なのかを考えて喋りなさいとも言われた。