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オックスフォード大学修士課程に挑戦して良かったか?

私は国内の大学を卒業後、イギリスのオックスフォード大学修士課程に進学し在学中は、大学院の勉強と就職活動を行っている。

そもそも何故大学院に進学しようと思ったのか?なぜ海外大学院だったのか?なぜイギリスで、何故オックスフォード大を選んだかなどは他のエントリーに譲ることとして、ここでは特に進学後の個人的感想を感情ベースで綴る。

オックスフォード大学修士課程に進学して良かったか?

正直なところ、わからない

進学して良かったと胸を張れるように、自分の人生を自分でコントロールすることが大事だと思いつつ、進学して良かったと断言出来ないところが痛い点。

オックスフォードに進学するという決定が自分の人生のプラスになった反面、マイナスになった部分も少なからず存在するのも事実で、何も考えず手放しに「オックスフォードに進学したら人生が変わるよ!絶対行って!」と言えないのがリアルなところだ。

オックスフォード大に進学した利点と、進学したことに付随する欠点について整理したいと思う。

オックスフォード大学と言えば、な建物のラドクリフカメラ。

オックスフォード大学修士課程に進学した利点

まずはオックスフォード大に進学したからこそ享受出来ていると思う利点から。

  • 国内に居たらきっと出会えなかったであろう人たちと出会うことが出来る(人的資本の増加。ネットワーク拡大。)

  • オックスフォード大学修士卒という学歴

…と言いたいところだが、ぶっちゃけ今のところそこまで学歴のアドバンテージを享受しているとは思えない。就職活動などで有利になるかと思いきや、(不利にはならないものの)特別有利になるとも思えない。

  • オックスフォード大のハードな生活を耐え抜くことから得られる自信のようなもの

…と言いたいところだが、ほぼ幻想だろう。

3つしか思いつかなかった。この3点のうち、最も自信を持ってオックスフォードで得たものと言えるのは1点目に挙げた「国内に居たらきっと出会えなかったであろう人たちと出会うことが出来る」と言う点であろう。オックスフォードで出会った人たちは私の人生を豊かにしてくれたと感じる。オックスフォードで出会った人たちとの交流が財産であることは言うまでもなく、きっと今後も彼らと関わり続けるだろうと感じる。

まあ、気が合わない人もいたかもしれないが数人でも心許せる友人が出来た、それだけで貴重な経験だったのかなと思う。
オックスフォードの学費は年間500万以上と非常に高額なので、この数人の気の知れた友人と出会うために高額な学費をオックスフォード大に払ったと言っても過言ではない。

後述する予定だが、オックスフォード大の学歴が労働市場に与えるインパクトが極めて限定的であることを踏まえると、オックスフォード大に行って得たものは何か?という問いかけに対する私の回答は友人関係拡大、気の知れた友人に出会えたこと、となるであろう。

2点目に挙げたオックスフォード大学修士卒という学歴に関してであるが、オックスフォード大卒という学歴は魔法のチケットでも何でもないので、就職活動でもES(エントリーシート)で落とされることもあったし、特に大きな威力を発揮するとは思えなかった。それよりもインターンに参加して早期選考に乗ることであったりとか、リクルーターについてもらうであったりとか、就活チックなテクニックの方が「内定をとる」ことに関しては重要度が高そうだと感じた。オックスフォードに行ったから就職も楽勝だと思ったら大違いだ。

3点目に挙げた、オックスフォード大のハードな生活を耐え抜くことから得られる自信のようなものに関してはほぼ幻想なので割愛しようと思う。笑

大学のある街は確かに歴史がある古風な街。

オックスフォード大学修士課程に進学したことに付随する欠点

次にオックスフォード大に進学した結果、私が個人的に感じる欠点について挙げる。

  • 慢性的な睡眠不足とストレス、不安障害になりそうなほどのアカデミック負荷

これに尽きるのではないか。

私は、オックスフォードが初めての長期留学ではなかったがそれでも他の地域・大学と比較してオックスフォードは格段に厳しいアカデミック負荷を負うことになると感じる。

日本の学生のようにオックスフォードで過ごすことは出来ない。ただでさえコースワークが重労働なのに加えて、オックスブリッジの試験スタイルは過酷だ。試験期間は、3時間に及ぶ論述試験を学期末ごとに受験して疲弊する。選択問題ではないので論述に耐えうるだけの知識と紙面上で自分の考えを説明するだけの論述力が必要だ。課題をこなすのに徹夜が必須であったが、課題は成績には入らない。論述試験一発が全てだ。しかし課題をやらなければ試験も出来ないので、やるしかないわけだが文字通り毎日死にかける日々である。

何度、入学するんじゃなかったと思ったか分からない
このアカデミックに付随する苦悩を考えると、オックスフォードに進学することで得られるメリットが、進学後の苦労を上回ることはないように思える。オックスフォードで精神の安定やバランスを崩してしまう人は多いからだ。(イギリス全般かも知れないが、私は他の大学ををよく知らないので適当なことを言えない)

  • 学費が高い

もう一点挙げるとするなら、学費が高いという点だろうか。
イギリス国内でオックスブリッジの学費はずば抜けて高い。給付奨学金を得ていたが、それでも生活するのはカツカツである。自分は貧乏学生を強いられる一方で、ふと周りを見渡すと潤沢な資金を持つ団体組織から奨学金をもらって優雅に生活する学生やボンボンで自分とは生まれが違うような学生もおり、自分と比較してやや落ち込んだりもする。

ピンキリではあるものの、オックスフォードに優秀ではない学生が来ることはまあまあ少ない。非凡な才能を持ち合わせるクラスメイトや友人を見るたび、自分の能力の無さを思い知って打ちのめされるわけだ。オックスフォード大での生活がやや心理的に厳しい戦いになるのは、このような背景がある。周りにいる学生がとにかく優秀であるレッドオーシャンの中をサバイブするには、高い自己肯定感とそれを支えるだけの実力が必要だ。

ということで、つらつらと駄文を連ねてネガキャンをしてしまったが以上が私の感想である。こんなにグダグダと不平不満を書き連ねた後で言うのもなんだが、オックスフォードは大変だったけど進学して良かったと言っている人もいるので、安心してほしい。私にとっては魔法の学校ではなかったけれど、自分の可能性を高めるのにはもってこいの場所かもしれない。

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