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【乳酸菌おもしろ解説】第8回:LB81(明治)

第8回目は、歴史のあるブルガリアヨーグルトに入っている乳酸菌 LB81です。

LB81という菌株、ご存じですか?実はそんな菌株存在しません

菌の基本情報

  • 通称:LB81

  • 菌株名: Lactobacillus delbrueckii subsp. bulgaricus 2038、 Streptococcus thermophilus 1131

  • 生死:生菌

  • 有効菌数:各10億個以上

  • 主な効果:整腸作用

「LB81」は、Lactobacillus delbrueckii subsp. bulgaricus 2038(ラクトバチルス デルブレッキイ サブスピーシーズ ブルガリアス 2038)、 Streptococcus thermophilus 1131(ストレプトコッカス サーモフィルス 1131)という2種類の菌を合わせた名前で、造語です。

「LB81」は菌株っぽい名前なのに、菌株ではないんですね~。

名前の由来は、明治さんのサイトに以下のように書いてありました。

商品名の「LB81」は、乳酸菌の菌株ナンバーに由来しており、「LB」は、乳酸菌を意味するLactic Acid Bacteria(ラクティックアシッドバクテリア)の頭文字、「81」は、使用菌株である「ブルガリア菌2038株」と「サーモフィラス菌1131株」の末尾番号を組み合わせたものです。

https://www.meijibulgariayogurt.com/about/yogurtbook.html

腸内細菌のバランスを整える・おなかの調子を良好に保つ

LB81は、1996年という早い時期に、特定保健用食品の許可を受けています。
今でこそ「整腸作用」は当たり前のように思われていますが、明治さんは今から25年以上も前の、まだヨーグルトや健康機能などが流行っていない時代から、人々の健康を考え作られてきたのだということがわかります。
そういう背景があるから、今でも売れ続けているんでしょうね~!

論文評価

  • 論文数 :(16報) *

  • 主な効果:整腸作用

  • 代替性 :有り

  • 総合評価:★★☆☆☆

    *PubMedにて「Lactobacillus delbrueckii subsp. bulgaricus 2038」「Streptococcus thermophilus 1131」等を含む検索に基づく(おなかラクト調べ、検索日:2022年11月13日)

論文数は、PubMedで調べたところ16報しか見つからなかったのですが、トクホなどの申請内容を見ると、PubMedに掲載されていない古い論文もあるようでしたので、20報以上はあるように思います。

トクホの認可も受けているので、整腸作用は担保された乳酸菌です。

最近でも少しですが新しい研究はなされているようですが、古い論文は基本的に善玉菌の増加や整腸作用について研究されるものがほとんどです。
詳しく知りたい方は以下の論文を参照してみてください。

何故これだけが「ブルガリアヨーグルト」と呼べるのか?

確かに、ブルガリア菌2038を使用してはいますが、ブルガリア菌を使用したヨーグルトなんて世の中にたくさんあります

実はこのヨーグルトも、1971年の発売当初は「明治プレーンヨーグルト」という名称で「ブルガリア」は使っていなかったようです。
しかし、1972年にはブルガリアの国名使用許可を得て1973年に「明治ブルガリアヨーグルト」に名称変更したそうです。

当初は「明治プレーンヨーグルト」として発売されましたが、これにはちょっとしたウラ話があります。

開発中から「明治ブルガリアヨーグルト」というネーミングを考えていたのですが、
「ヨーグルトは民族の心、他国民が作ったものにその名を貸すわけにはいきません」と断られてしまったのです。

しかし、ブルガリア国はヨーグルトの故郷であり、その国のブルガリア菌を使用していることなどから、「どうしても本物のブルガリアヨーグルトを日本の食卓に届けたい」という熱意を伝え、1972年にブルガリアの国名使用許可を得ました。

https://www.meijibulgariayogurt.com/about/yogurtbook.html

国から許可を取るというのは相当大変なので、当時の担当者の熱意は計り知れないものだったのでしょう(国を動かしてしまうほどの熱量なのですから)。しかし、それがその後50年以上も続く大ヒット商品になったのですから、すごいことですよね。

それ以上に、1970年の万博の後、たった1年の間に何度もヨーロッパに行き、1971年に商品を発売するって・・・今では非現実的すぎて突っ込みどころ満載です(笑)

「明治ブルガリアヨーグルト」は、1970年に開催された大阪万博の「ブルガリア館」で当社のスタッフが本場のプレーンヨーグルトを試食したことが開発の契機となりました。

「本場の味」を再現するため、持ち帰ったサンプルを研究し、試作を重ね、何度もヨーロッパへ足を運びました。

一年後の1971年に、日本最初のプレーンヨーグルトとして「明治プレーンヨーグルト」を発売。

https://www.meijibulgariayogurt.com/about/yogurtbook.html

明治ブルガリアヨーグルトを食べてみました

まずは商品のスペックから。

商品概要

種類別名称:発酵乳
内容量:430g
無脂乳固形分:9.5%
乳脂肪分:3.0%
原材料名: 生乳(国産)、乳製品
保存方法要:冷蔵(10℃以下)
アレルギー物質:乳成分
賞味期限:ー
小売り希望価格:ー

配合菌数

100gあたり各10億個以上

保険機能食品表示

特定保健用食品(許可番号:289)
LB81乳酸菌の働きにより、腸内細菌のバランスを整えて、おなかの調子を良好に保ちます。

栄養成分表示1個(100g)あたり

エネルギー:62kcal
たんぱく質:3.4g
脂質   :3.0g
炭水化物 :5.3g
食塩相当量:0.13g
カルシウム:109mg

味わい・食べやすさ(主観)

総合評価:★★★☆☆
甘み  :☆☆☆☆☆
酸味  :★★☆☆☆
甘味料感:☆☆☆☆☆
堅さ  :★☆☆☆☆
量   :★★★★★
続け易さ:★★★☆☆

食べてみての感想

THE・プレーン!という味です。日本人にとって、プレーンヨーグルトと言ったらこれだよね!という味。

真剣に食べてみると、独特の酸味があり、甘みはほとんどありませんでした。この酸味はLB81ならではでしょう。

原材料を見てみると、生乳(国産)、乳製品だけ!これはすごい!!50年以上も変わらず、余計なものを入れずに販売を続けているのですね・・・すばらしい。


おなかラクトの記事では、日々皆さんに有益な情報を、腸活・菌活の観点から発信していきます。

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