「夜なのに、僕は見ている青い空(蒼井そら)」中国にチャレンジしていた日々
タイトルの川柳は、35歳オーバーの男性ならご存知の方が多いでしょう。
あ、今笑ったあなた。
夜なのに「青い空」、いえ、蒼井そらさんを見ていましたね(笑)
ただ、なにも恥ずかしいことではありません。
むしろ、健全な証だとすら思います。
それくらい、10年ほど前は蒼井そらさんの人気は凄まじく、意図しない限り避けて通るのが難しいほど、ネットに彼女の写真が溢れていましたから。
実は、12月11日は叔父の告別式だったのですが、荼毘に付すのに1時間半かかりますので、控室でスマホを見ていたら、次の記事を見つけました。
この件に関して僕のコメントは差し控えますが、賛否ともに説得力があるのは事実ですね。
たとえ元AV女優でも、子どもを産む権利があるのは当たり前。
確かにそう思います。
一方で、
子どもが成長したときに、母親のAVをネットで見たときのショックは計り知れない。当然、いじめのきっかけにもなる。
もし、自分がAV女優の子どもだったら。
そして、自分が子ども時代に今のようにネットが発達していたら。
そう考えると、複雑な気持ちにならないと言うと嘘になります。
いずれにしても、人様が子どもを授かり、これから育てていくわけですから、家族揃って幸せになって欲しいというのが僕の偽らざる気持ちです。
それはさておき、僕は2012年に中国で『細小』という小説を出版しました。
日本では20万部のベストセラーとなった『エブリ リトル シング』の中国語簡体字版です。
ちなみに、台湾、香港、マカオ、マレーシア、シンガポールでは『梦的颜色』(夢的顔色)という別のタイトルで中国語繁体字として出版されました。
その前に、アメリカ進出が事実上失敗に終わっていた僕が中国マーケットに賭ける意気込みは並大抵のものではなく、しかし、英語と違って僕は中国語がそもそもわかりませんし、致命的だったのは、中国はtwitter、facebook、YouTubeも禁止されています。
一体、どんなマーケティングをしたらよいのか、それこそ「初めてインターネットに触る」ような状態からスタートしなければなりませんでした。
その悩みを友達に打ち明けたら、「それなら、蒼井そらさんを紹介しましょうか。僕の直接の知り合いではないですけど、僕の友達が毎晩一緒に飲み明かす大親友ですよ。ちなみに、そらさんは中国ではスーパースターですよ」
「は? そんなにいとも簡単に、夜しか見られない青い空、もとい、日本でも大人気の蒼井そらさんに会えるの?」と思いましたが、いとも簡単に会うことができました(これも、僕の人生哲学の「六次の隔たり」ですね)。
とあるお店の個室を借りて、食事をご一緒しながら、色々なレクチャーを受けました。
そらさんは、良い意味で「普通に可愛い女の子」でした。
僕の一番の興味は、なぜ日本のAV女優のそらさんが、weibo(中国版twitter)で1,800万人ものフォロワーを獲得したのかでしたが、これについては自然発生的なもので、彼女のマーケティングではないそうです。
実際、そらさん自身が戸惑っていましたし、「なにが起きているのかわからない」「恐怖すら感じる」と言っていました。
まずは、タイで彼女の動画が大量にアップされ、その後、香港で人気に火が付くのですが、彼女には海の向こうのことですので実感はなく、しかし、イベントに招待されて香港に行ったら、中国本土のマスコミも数多く取材に来ており、その日を境に毎日100万人ペースでフォロワーが増えていったそうです。
そんなそらさんからのアドバイスはいくつかあったのですが、一番役に立ったのは、
「やはり反日感情のある国なので、本人公式に認定されるまでは、weiboではおとなしくしていたほうがいいですよ。すぐにアカウントを真似されたり、荒らされますから」
というものでした。
そして、weiboには日本支社があったので、そこに申請して、次のように無事に「Vマーク」入りで本人公式登録されました。
ただ、『細小』の発売数日後に、僕は「こればかりはどうすることもできない」という地獄を見ることになります。
それは、当時の野田政権が尖閣諸島を国有化し、それに反発する大規模な反日デモが中国で発生したのです。
日本のホテルのガラスが割られたり、日本車がひっくり返される暴徒化した中国人をご記憶の人も多いと思います。
もっとも、それだけの反日感情を持たれること自体がすでに手痛いのですが、その数日後に、
日本人作家の書籍はすべて発売禁止
という措置が取られました。
大概の苦難は乗り越えてきた僕ですが、このときはなぜか笑いしか出ませんでした。
ちなみに、この発禁措置は約半年続いたと記憶していますが、実は正確なところはわかりません。
もはや、ショックでなにもする気が起きなかったので。
ところが、この反日デモのときでさえ
釣魚島是中国的 苍井空是世界的
(尖閣諸島は中国のものだが、蒼井そらは世界のもの)
が中国人のスローガンで、そらさんの人気をまざまざと見せつけられました。
そらさんは習字を習っていたのでとても達筆で
中日平和友好
と自筆で書いた紙を持った写真をweiboにアップしたら、「いいね」が1,000万個も付く人気ぶりでした。
もっとも、その後発禁が解けて、上述の『夢的顔色』が発売され、さらには『無限ループ』の中国語版も発売され、
この『無限ループ』の売上がそこそこ好調だからか、weiboのフォロワーが4,700人もいることに驚きました(今、気付きました(笑)。
いずれにしても、そらさんのアドバイスのおかげで、もう「本人公式登録」は済ませてありますので、今後、中国で活動する機会があったら、weiboをもう一度やってみたいと思っています。
蒼井そらさんの妊娠のニュースで、本当に辛かった日々を思わず思い出してしまいましたが、
人生は今が一番若いのです
2019年も、2012年のときのように全力でチャレンジしようと気持ちを新たにした、そんなそらさんのご懐妊のニュースでした。
そらさん。
文字通りのおめでた、おめでとうございます!
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