【コロナで脱資本主義】エピローグ 六本木ヒルズ、大展望台にてⅡ
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エピローグ
六本木ヒルズ、大展望台にてⅡ
エリカは、ボクの首に回した両手をほどきながら唇を離すと、踵を地面につけた。そして、ボクの瞳に映る自分の笑顔を確認しながら、自由になった唇を動かした。
「ねぇ、多喜二。マルクんの最後の講義から一週間が経ったけど、今、ここから夜景を見てどう思う? 一ヶ月前のあなたの誕生日のときと同じに見える?」
「うーん。難しい質問だな。なにせ、マルクんの講義は予想以上に刺激が強かったからな。正直、最後の講義が終わったときに