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長野県木島平【未来へ伝えたい 県産材の温もりと優しさ】-瑞穂木材株式会社 zatsumokko 田中 陽さん

ひとりひとりそして一つ一つがみんなのオリジナル


地域の魅力
やそこで活動する"ヒトの想い”を追いかけて、発信し、伝えていく"想いノ停留所"。
今回は長野県木島平で、【未来へ伝えたい 県産材の温もりと優しさ】を理念にされている瑞穂木材株式会社田中さんを追いかけました。

瑞穂木材会社 田中さんノ略歴

1987年5月生まれの千葉県出身。
小学校から野球を始めて、高校大学と野球部を経て、長野県の独立リーグに加入。その後引退を経て、瑞穂木材にて現職。

田中さんノzatsumokkoへの"想い"を聞く

田中さん本日はお忙しいなかにも関わらず、インタビューのお時間を頂きありがとうございます。まずは田中さんの自己紹介をお願いできますでしょうか。

略歴にもある通り、ほぼほぼ野球漬けの学生時代でした。その後、引退を機に、身体を動かせる仕事をと探していた際に、ハローワークで、たまたま瑞穂木材の求人があり、野球のバットも木製で、木のつながりもあるから、シンパシーを感じて、ここで働こうと決めて今に至っています。

野球をやめるに至ったきっかけは、実はイップスになってしまったからなんですよね。きっと、学生時代とは違う、独立リーグで、お給料をもらいながらプロとして野球をすることに、身体がプレッシャーに感じていたのだと思います。

瑞穂木材に入ってからも、野球は続けていて、草野球のチーム掛け持ちしたりとかもしていました。声はありがたいことに多くかけて頂けたので、多い時で、3チーム掛け持ちしていたりしましたね。

瑞穂木材には24歳の時に入社しました。最初は自動カンナ盤の操作を担当していました。機械のカンナが自動で高速回転していて、そこに、木を流し行くんですね。かんなが四か所ついているので、木材の角を四か所綺麗に削っていき、既定の寸法に合わせていくことを、約3年ほど担当させてもらっていました。

その後は、丸太のカットや、丸太を管理する仕事などを3年ほどやり、その後の体制変更もあって現在は製品の管理をやっています。

営業のお仕事以外、工場の中の業務はすべてやってきているので、現在は管理業務をメインにやっています。

もともと木材や森には興味があったのでしょうか?

正直、木にはもともと全然興味はなかったんです。ただ、黙々とやる作業が肌に合うと思っていて、正にそうしたお仕事に出会えてよかったと思っています。一つ一つは小さいコトでも、改善をもくもくと集中しながらやっているのが好きなんですね。

一方で、自然は大好きなんですよね。クライミングを始めたんですけど、山にいったりして、岩に触れたり、木もいっぱい生えているのを眺めて、これは何の木が生えてるのかな?とか、木工製品を見ては、何の木使ってるのかなぁとか、そういうことが自然に頭をよぎるようになってきています。

自由でラフな感じが、今の仕事の肌に合ってたんじゃないかなぁと感じていて、結果論ですが、木に携わる仕事は好きで、今日まで頑張れていると思っています。

瑞穂木材さんのある木島平は本当に自然が豊かで素敵な場所ですよね。

そうなんですよ。野沢温泉もありますし、何せ本当に雪が凄い地域ですよ。一度雪が降っちゃえば、一日中雪かきしています。雪が降っちゃうと、仕事も出来なくなっちゃいますけど、都会では味わえないことだと思うので、一度足を運んでみてもらいたいですね。

田中さんは瑞穂木材でのお仕事の他にも、個人的に木工活動もされているとおききました。

はい、“zatsumokko”という名前で活動しています。(instagram : https://www.instagram.com/zatsumokko/ )ここ最近始めた活動なのですが、今までは社内で、『ちょっとこういうの作って』、『こういう椅子あるんだけど作れる?』、『ちょっとしたサンプル作ってくれない』という感じで、特に寸法などもないまま、イメージと感覚だけで作っていたんですよね。文字通り、【雑木工】ですね笑。
元々から手を動かして、何かを作ることは好きだったんですよね。

勿論最初はずぶの素人だったので、なかなか上手なものは作れなかったのですが、先輩の方々に、もっとこうしたらいいよ、などのアドバイスをもらいながら、徐々に徐々に知識と、出来ること、作れるものが増えてきました。

ある日、雑貨店に行った際、エアープランツを木に吊るして飾ってあるのを見つけたのですが、それが結構いいお値段するんですよね。実はそれに似たようなモノは、すぐに作ることが出来たんですけど、それを販売する、お金をいただくというところまでの意識は当時まだなかったですね。

作ってみたものを、他の人から『これすごいね』といわれることが本当に嬉しくて、それがモチベーションで今まで続けてきた活動です。

特に最近は、アイディアがつぎつぎに湧き出てきて、仕事の合間に作り続けています。

今世の中、すべて”完璧”なとても綺麗なモノが人気あったりするじゃないですか。僕はこのzatsumokkoの完璧ではない、どこか不完全でいびつなものであることに、逆に良さを感じています。自分が作るものは自分の味を出したいと思っています。真似事ではなく、個性が表現できれば素敵だと思っています。例えば3Dプリンターも良し悪しがあって、綺麗に同じものが作れる、でも、それに少し寂しさも感じることがあるんですよね。

世の中には、いろんなスタイルがあって、みんなもっと自由にやったらいいじゃん!っというメッセージをzatsumokkoを通じて届けていけたら嬉しく思っています。

僕が野球をやっていた時に、完璧な、型にはまることを求められたときに、イップスになってしまったように、型にはめられない生き方、雑だとしても、世の中に同じものは二つとないよ、全部おりじなるで楽にやったらいいんだよという僕なりの生きざまがzatsumokkoの活動に繋がっているということを、最近は感じるようになってきました。

とても素敵な想いが伝わってきました。個人的にはどの作品も可愛くて、ご販売もできるのでは?と思っていますが、活動の幅を広げていく予定はないのでしょうか?

はい、実は先日初めてマルシェへ出展してみたのですが、正直あまりわくわくとしなかったんですよね。やっぱ僕は、売ることが好きではなくて、作っているときが一番のわくわくな時間なんですよね。モノを作っているときあ、時間たつのも、ものすごく早いんです。普段仕事のお昼休みにzatsumokkoをしているのですが、あっという間に、もう仕事の時間じゃん!となります。笑

今後、zatsumokkoを長く続けていくうえで、お金にしていくことはどこかで考えないといけないとは思っていますが、やるとしても、価格はこちらで設定せずに、お客さんに好きなお値段で良いですよ、という形でやっていきたいなと思っています。

都会の方からはzatsumokkoの温もりが本当に良いといっていただけることも多いのですが、正直僕はもう木に普段から触れすぎてしまっていて、逆に価値が分からなくなっちゃってるんですよ。zatsumokkoで使ってる木材は、いわゆる端材で、会社のいろんなところに落ちているものなんですよね。

SDGsの観点でも、そうした価値の無いものに、新しい命を吹き込めているのは、それだけでも価値だと感じています。

最後に、今後の展望についてお話しいただけませんでしょうか

zatsumokkoは変わらずに今後もずっと作り続けていきたいと思っています。

それ以外ですと、実は今まで人とのつながりをあまり作らないように生きてきていたんですね。一人で、黙々と作業がすることが好きなところもあって。ただ、最近はSNSでの発信や、様々なコミュニティにも縁が出来て、やっぱ繋がりは必要だというコトがわかってきた。

想いを共有できるつながりって、最強じゃんと思い始めていて、いろんな人とつながって、一緒に発信したり、おもしろいことやってみたり挑戦していきたいと思っていなす。

いろんな人のアイディアを取り入れながら、一緒に世界観を作り上げていきたいですね。

毎日インスタグラムに投稿しているのも、そんな思いから始めています。今まで全くやってこなかったんですね。いまは心の内からやりたいというWHYから始められているから、とっても楽しいですし、今回のような新しいつながりを今後も作っていきたいと思っています。

また、zatsumokkoに込めた思いをより多くの人に知っていってもらいたいと思っています。大人でも子供でもいい、年齢は関係なく、木を使って、作ったものに対して、いいねって思ってもらえる。そして、自分自身もやってみたい!と、木に興味を持ってもらえる仲間が増えていって、みんなでzatsumokkoをやっていけたら嬉しいです。

型にはまらなくていい、綺麗にできなくたっていい、一つ一つがみんなのオリジナルだよというコトを、今後もzatsumokkoを通じてメッセージとして伝えていきたいですね。

一人一人が、やりたいことに、自分らしく取り組める、そんな世の中になっていく一つのきっかけが、zatsumokkoだと嬉しいです。

ぜひ一度、zatsumokkoに触れてみてくださいね!

インタビュー後記

インタビューを通じて山と森林、そして自然への熱い想い、さらにはひとりひとりがオリジナルで完璧ばかりが素晴らしいのではないというメッセージをzatsumokkoを通じて伝えていきたいとの想いが、どんどん溢れてくるようにお話される田中さんの活動を、"想いノ停留所"は今後も応援し続けていきたい思っています。

是非zatsumokkoにご興味ある方は、以下SNSをチェックしてみてくださいね。

瑞穂木材株式会社
https://mizuhomokuzai.jp/

zatsumokko
Instagram @zatsumokko

"想いノ停留所"
ライター
蕎麦屋de上機嫌
Instagram @sobaya.de.jyokigen

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