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思惟かねの気まぐれニュース解説

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私が気になった科学ニュースを私が納得するまでとことん調べて解説する不定期コラムです。専門家の方からのご意見ご指摘を大いに歓迎します。
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#科学

フォークボールが落ちるワケ:流体解析が説明した「負のマグヌス効果」(思惟かねの科学技術ニュース解説)

フォークボールが落ちるワケ:流体解析が説明した「負のマグヌス効果」(思惟かねの科学技術ニュース解説)

先日、面白い科学ニュースが入ってきました。

野球の変化球に関する流体力学的な研究です。野球を知っている人なら、中々気になるニュースだと思います。
ピッチングの基本となる「伸びる」球であるストレートと、変化球の一つ、「落ちる」球のフォークボール。一見すると全く違うように思える両者ですが、実はボールはどちらも同じバックスピンで回転しています。

いったい両者の差はどこから生まれるのか?ということを、

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たった1つの原子を判別する技術、原子の姿を見る技術:思惟かねの気まぐれニュース解説

たった1つの原子を判別する技術、原子の姿を見る技術:思惟かねの気まぐれニュース解説

私たちの世界を形作る、最小構成単位の一つ。それが原子です。
ドルトンが近代的な原子論を提唱した19世紀から、化学反応の担い手そのものである原子それ自体を直接観測することは科学の一つの目標でもありました。
既に私たちの科学技術は、電子顕微鏡による0.1nmの解像度(およそ原子1個の大きさ)で原子配列の像を得ることができるところまで進んでいます。しかし、この中のある1個の原子が何の原子であるか?を識別

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第5の力の存在を示唆する研究:思惟かねの気まぐれニュース解説

現在物理学では、自然界には4つの力が存在し、それによって私たちの世界が形作られているという説が支持されています。
4つの力、つまり「電磁気力」「重力」「強い相互作用」「弱い相互作用」です。これらの力は個々に理論物理学により体系立てて語られていますが、さらにこれを統一的な理論で語ることができれば、より宇宙の根源的な部分に迫ることができるのでは…という考えから、これらの力を統一して記述できる理論が研究

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