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心に虹をかけてくれた推しと、これからも。

【いつも応援してくれている皆さまへ 大切なご報告】

こんな見出しの報告と言ったら、勘の悪い私でもわかる。推しが結婚した。

どれだけ好きでいても、自分がどうこうできる相手ではないことはわかっているのだけれど。
結婚という現実は、夢のように楽しかったわたしのガチ恋オタク人生終了のお知らせなのだ・・・



という、いつか来るかもしれない「推しが結婚する」という未来のために、わたしは日々脳内でのシュミレーションを欠かさないようにしている。
その日が突然やってきて、ぶっ倒れてしまわないために、だ。

感情の筋トレの時間は大切にしたい。
本当にその時が来たらわたしは一体どうなってしまうのだろうという、恥ずかしいけど大問題。

過去に起こってもいないことを心配しすぎるあまり、知人からは「うみっていちいちめんどくさいね」と鼻で笑われたことがある。
怪我をする前に絆創膏を貼っておくタイプのわたし。

生きづらいことなんて自分が一番わかっている。
自分を知り、もがいたり苦しんだり、時に諦めたりしながらそれでも懸命に工夫して生きようとしている。
人のことだ、他人に何がわかる。わたしのことはほっとけ。
という言葉をごっくんと飲み込み、えへへ…なんて愛想笑いなんてするからいつもマウントを取られるということも自分ではわかっている。ダサい自分。

そんなわたしのパッとしないなんだかなぁな人生に突如現れた、強く美しく咲く青い薔薇のような人。

テレビに出てきた時からずっと好きでいたわけではない。おもしろくて見ていた恋愛バラエティ番組に出ていた彼を初めて見たときには何の感情も湧き起らなかった。意識して音楽番組で見てから、なんとなくゆっくりマシュマロを握っているかのよう感覚で鈍くゆっくりと。
気付けば彼の沼に両足を突っ込んでいたのだった。

セクシーな横顔が国宝級に美しく、丸出しにしていては公然わいせつ罪に問われないか心配になってしまうほどだ。だけどわたしは彼を顔で好きになったのではない。内側も外側も、知れば知るほど沼から足が引っこ抜けなくなった。

推しがきっかけでSNSやリアルにつながる仲間にも沢山出会うことができた。
同担は大歓迎で、ハッピーはシェアしたい派なのだ。
ライブに行ったり聖地巡礼などをして、大人になった今、存分に青春を謳歌している。

多感な時期にクラスメイトから受けた見た目いじりのおかげで、学校で過ごす時間が苦手になり、卑屈になって青春という青春を過ごした記憶がない。
だけど、モノクロだった毎日が一気にカラフルになり、自分にこんな人生が待っていたなんて昔のわたしからしたらとてもありがたかった。

順風満帆だったしあわせな「推しのいる生活」にいったんストップがかかる出来事が起きた。
ライブに行けば当たり前のように会えたのに、その時間を未知のウィルスとやらに奪われてしまった時…少し乱れた髪をニット帽で抑え込み、とても清潔に見える無精ひげを生やしたまま自宅から配信をしてくれていた貴重な姿を見ることができた。
同じ空を見上げて、再会の日を夢見て絆を深めて。今となってはわたしたちには必要な時間だったのかもしれない。


完璧でかっこいい姿だけを見せてきた彼の人間らしい一面が見えたことに憧れを持ち、自分もファンの一人として恥ずかしくないよう正しく生きることを心掛けていた。

日常が少しずつ戻って、久しぶりに約束の場所へ行ったとき、僕ら一緒だねと心から歌ってくれた。あの日はほぼ前が見えないくらいの涙量で水分が失われていたので、終わりに飲んだビールの味ははたぶん一生忘れられない。

どうしてわたしはこんなにも彼を好きなのか。足したり引いたり、かけたりわったりしても永遠に出ることのない答えにつまづき、だけどそんな時間がとてつもなく愛おしいってちょっと正気の沙汰ではないのかもしれない。

ここで冒頭に書いたことに戻る。
そんなにも沢山のしあわせを与えてくれた推しのしあわせを、本当なら心から喜びたい。好きな人には笑っていて欲しいから、ファンを思ってくれるように自分の気持ちも大切にしてほしいという気持ちがないわけではない。ちゃんとおめでとうが言えるのかは、その時になってみないことには…。
いつまでも側にいてなんて、期待してしまうのもオタクのサガなんだ。

人生一度きりじゃない、つまずいたって何度でもやり直せる。
推しが教えてくれた宝物。大金をつんでも到底買えない「エモい」という感情を知れたわたしはしあわせものなのだ。

「推しは推せるときに お酢!」

友達とのやり取りの中で誤字から生まれたスローガンを掲げ、グッズとして世に放たれた溺愛中のかわいい手のひらサイズのぬいぐるみを連れ、今日もわたしを生きている。

わたしはわたしだから誰にも文句は言わせない。次の約束も、その次の約束も、いつも笑って胸を張って会いにいけるようになんとかやってみるから。

人生をまるごと変えてくれた、最愛なる推しへ。ありったけの愛と感謝を込めて。

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