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裸の王様

 私が今の職場で出会った上司は、どの人もいい印象ではなかった。気に入らない人がいると、すぐに攻撃をする。そして自分を守ってくれる、気に入られていると思っている上司に告げ口をしにいく。自分の後輩には、気に入らない人の悪い点を誇張して噂を広めようとする。自分の感情を入れて仕事をしているのは当然と言わんばかり。
 私の近くにいる上司は、私的な感情で人の評価をする人が多い。大人になると、子供のような意地悪をしたり、自分の思い通りにならないと怒り出すようなことはしなくなるのだと思っていたが、年齢などは関係がないようだ。
 パワハラ、セクハラなどの講習は受けているようだが、受けても意味がない。そもそも講習をする人がパワハラするし、パワハラを容認しているのだ。
 自分の好きな人とそうでない人の明らかな接し方の違いを、周りに見せつける上司。パワハラを受けたと訴える人は何人もいるのだが、問題の人は処分されないため、パワハラを訴えた人が泣き寝入りになる。人が少ない会社、さらに、途中で退社する人が多いので、勤続年数が長い社員を大切にしたい会社は、その人物に問題はあっても他に替えがいないのだと言って、我慢させるのだ。
 嫌だけれど、関わらざるを得ない人は言いなりになる。「裸の王様」という話を思い出す。自分には特別な衣装が着せられていると、思い込んでいる。その状態で変に守られて、自分は優秀な特別な存在と信じたいかのような上司がいる。入ってまだ2.3年ほどの若い異性の後輩を引き連れて食事に行く。その後輩に食事をご馳走し、口を開けてごはんを食べさせご満悦だったそうだ。同じ場にいた人から話が漏れ、社内で噂が広がっている。ただ、誰も本人には何も言わないだろう。
 自分が裸だったと気づくのは、いつになるのだろう。

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