マガジンのカバー画像

環のストーリー

98
生きる姿を、音楽と。環のストーリーを紹介します。
運営しているクリエイター

#スキしてみて

練馬の環状8号線でチャリに乗っていた高校生は高円寺に行かないそうです

環状8号線を走っていて練馬あたりを通るとむずむずする。それは高校生の頃の恥ずかしい記憶が…

夜型の叔父、世界を変えていた

中学生から大学卒業くらいまで、年末年始は北関東にある祖父母の家で過ごしていた。 祖父母の…

「全部嫌だ」って言いたい時期なんです

「あーあ、今日もキレてたな」と思う日が続いている。 このもやもやの正体はなんなのだろうか…

感情にエビデンスは必要ない

空港で仕事の電話を終えると隣の席に座っていた淑女に話しかけられた。 「あなたってもしかし…

朱色の筆が待っていた

しんと静まりかえる木造2階建て住宅、1階の和室。 そこにいるのは私と父方の祖母のみ。 これか…

面倒くさいくらいの方が面白い

1月末の月曜日。 友達の佳(よし)が働いている美容院に行った。 佳とはこの美容院で、美容師…

還暦の母へ。手料理は思い出とともに

 母の味がわからない。母の作った料理のような味がするなと思うことはあるが、それは大体、薄味の和食料理で、確信をもって母の味だと断定できるわけではない。  思い出は不思議だ。日常の大切な風景や楽しさ、非日常の中での愛おしさ、一生覚えていたいと思ったようなことも意外と忘れていたりする。友達と学校にいくときに腹を抱えて笑ったことや、付き合っていた彼女とのデートとか。「楽しかった」という感情とともにいくつかの記憶があるのに、思い出話をすると意外と忘れていることに気づく。そして覚えよ

有料
100

印鑑みたいな恋をした

「おはようございます。早起き頑張ったね」 学校で使う紙よりは少し厚い紙に赤い丸が並ぶ。 …

それ以上でも以下でもない人間関係

 誰かにいう必要もない思い出がある。 私より10歳年上の教師、時田さんとの2日間だ。  …

親友に贈るベイベー、ダーリン

 小説「スロウハイツの神様」(辻村深月著、講談社)にこんな一節がある。  現在は親友であ…

悪意や質の悪い好奇心

 「エスカレーターを歩くのは危険です。手すりをしっかりと掴んでください」  駅で流れる注…

ばかね、また頑張ってる

 映画「おらおらでひとりいぐも」を見た。岩手出身の75歳の女性が、先立たれた夫を思いながら…

突然真理に遭遇する飲み会

 今回は台本のようなスタイルでお届けします。ぜひ皆さんの脳内で東京タラレバ娘のような風景…

背中の温もりは、

 「ん…おかえり」  大和はいつも通り、「人をダメにするソファ」でおなじみの無印良品のソファに身をあずけながら寝ていた。私が玄関のドアを開ける音で目覚めようで、付けっぱなしの電気やテレビと一緒にまどろんだ空気を醸し出していた。  私は2015年8月から、赴任先の茨城県水戸市で、大和と同棲を始めた。7月にマッチングアプリで知り合い、その日のうちに身体の関係を持った。その時、互いにピンとくるものがあり、1週間の冷却期間を経たのちに付き合うことになった。私の家は15畳の部屋と大き