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俳句・句集

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2023年12月の記事一覧

俳句・二句選・花林花句会。

俳句・二句選・花林花句会。

先日、花林花句会の忘年会に参加させて頂きました。

各人の自選20句があり、
その場では言いそびれた感銘句を
各人分から二句選でご紹介します。

※各人の年間自選20句の全句は
来年2月刊行の「年刊花林花2024」に
掲載、とのことです。

高澤晶子氏「デクレッシェンド」より

言の葉を飾りて祝うお正月

身ひとつ宙に浮かせて赤蜻蛉

廣澤田を氏「空白」より

待ち合わす人も黄蝶も風の中

宙を打

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俳句の会の忘年会に参加しました。

俳句の会の忘年会に参加しました。

今日は忘年会に参加させて頂きありがとうございました。

作品についてのそれぞれの考え方や身の上が窺えて、大変参考になりました。

短歌と俳句の違いはあれど
「作品作りに自分はどう向き合うか」
という問題は共通だと思いました。

そして作品作りへの向き合い方が
人生への向き合い方と重なる部分があるのでは無いかなあと思いました。
まるっきり同じでは無いけど。

古本屋の営業もしてきて
売約の本のお渡し

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「現代俳句」2023年12月号を読む。

「現代俳句」2023年12月号を読む。

「現代俳句」を読む時に、感銘句に印をつけている。
そのうち、特に面白かった感銘句を勉強のために紹介したい。

列島春秋

ぷうぷうと猫のいびきや藪柑子
金山 桜子

作品10句

むしパンの程良き甘味冬ぬくし
古畑 和

特集・永年会員記念作品

鳥渡る二十グラムの封書の旅
堀部 節子

生きるとは今光ること初蛍
片岡 寿子

青葉雫地球を看取るのは誰か
森田 千技子

現代俳句の風

見てをりて

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季語の蜻蛉-同じ漢字で違う生き物-

季語の蜻蛉-同じ漢字で違う生き物-

前々から気になっている季語がある。
それは「蜻蛉」だ。
この表記で「カゲロウ」とも「トンボ」
とも読める。
カッコいい読み方で「せいれい」もあり、これはトンボの古語のようだ。

カゲロウとトンボは違う。
見た目は少し似ているかもしれないが
カゲロウは儚いイメージで
トンボは勝ち虫や、夏の虫捕りの思い出などを想起させる。
すなわち、季語としての働きも違ってくる。

トンボがどうして勝ち虫かというと、

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