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「才能もない、学歴も普通、そんな私が成功した唯一の理由」ほか2本【成功法則の科学#1】

ということで、仕事の生産性や成功に関わる「仕事術」系の論文のまとめでございまーす。

1.【個人vsチーム作業】より高いパフォーマンスを発揮するのはどっち?

「仲間と一緒に仕事したほうがいろんな視点を取り入れられるからいい!」「いや、個人で取り組んだ方がちゃんと考えるようになるからより良い結果が出る!」みたいな両方の主張が昔からあるわけです。

PNASに掲載されていたハーバードビジネススクールなどの研究(R)は、「一人でやるか、仲間と一緒にやるか、実際のところどっちがベターなの?」ってところを調べてくれておりました。

これがどんな研究かといいますと、

■ 参加者にはそれぞれ17ラウンドにわたってセールスパーソン問題(複雑な問題解決のタスク)を行ってもらうが、この際全員を以下の3つのグループに分ける。①常に他の回答者の回答を参照できるグループ。②最初から最後まで自分一人で回答するグループ。③3ラウンドおきに他の回答者の回答を参照できるグループ。

みたいな感じで、各グループが最適解を導く頻度と平均的な回答のスコアをチェックしたんだそう。


その結果はといいますと、

■ 一人で解いたグループに比べて、他の回答者と交流できたグループでは解決策の平均的は質は高かったが、最適解を導く頻度は低かった。

一方断続的に他の回答者との交流をしたグループでは、両方のメリットをキープしていた。つまり、平均的な質は交流ありのグループと同程度なまま、最適解を思いつく頻度は一人で解いたグループと同じくらいだった

だったそう。グループで問題解決を図った場合には、最悪な回答は回避できる代わりにベストな解法を導く可能性は低くなる一方、一人で解けば自由に考えられるからいろんなパターンの回答を思いつく代わりに平均的な回答の質は下がってしまう。しかし、断続的な交流をした場合には、このメリットを両取りできたわけですな。

ほかにも面白いポイントが確認されておりまして、

■ 常に交流しているグループでは、成績の高い人が成績の低い人の解法を参照してもその後の成績が上がることはなかった

■ 一方断続的に交流したグループでは、自分より成績が低い人の解法を参照した場合であってもさらに成績を上げることができた

って感じで、交流の頻度を減らした場合には、ローパフォーマーからも何かしら学んで生かすことができたらしい。チームで作業する場合にはどうしても能力にばらつきが生じてしまうんで、これはうれしいポイントっすね。

研究チーム曰く、

組織の生産性とパフォーマンスにとって、常にではなく断続的な相互作用を実現するためのテクノロジーや構造は、これまで考えられていたよりもさらに重要である可能性がある。

とのことで、殊複雑な問題解決の場面では、個人作業と集団での意見交換を適当な割合で組み合わせると、「群衆の知恵」を最大限生かせるかもしれないっすね。


2.才能もない、学歴も普通、そんな私が成功した唯一の理由

成功するには気合が大事なんや!みたいな根性論をいう人こそ減ってきていますが、それでもなお成功に必要なのは知性や努力、ハードワークといった個人的な能力であるという主張はまだまだ主流である印象。一方、トップレベルのビリオネアがとびぬけて頭がよかったり異次元の能力を持つわけではないというのも周知の事実。

で、最近読んだ論文(R)では、「実際のところ、成功を左右する要素って何なの?」みたいなことを調べてくれていて面白かったです。

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